2022/01/07
デジタルクローン、P.A.I.(パーソナル人工知能)※1 を開発する、株式会社オルツ(本社:東京都港区、代表取締役:米倉 千貴、以下「オルツ」または「当社」)は、株式会社ビデオリサーチ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長執行役員:望月 渡、以下「ビデオリサーチ」)と共同で、脳科学者、茂木健一郎氏のデジタルクローン生成に成功しましたことをご案内します。
茂木健一郎氏デジタルクローン特設サイト
こちらから実演動画をご覧いただけます。
[ https://digitalclone.alt.ai/mogi ]
【価値観と専門知識のデジタルクローン化の実証実験】
デジタルクローン技術は様々な活用の可能性が考えられますが、この度の実証実験では、高度な専門知識を持つ知識人のデジタルクローン化の可能性を検証することを目標に設定されました。
同実証実験においては、デジタルクローンに対する様々な問いに対し、茂木健一郎氏の専門知識を得ることに成功しました。また、専門知識にとどまらず、同氏の価値観を土台とした広範囲な返答が得られることを確認しております。
【茂木健一郎氏のコメント】
デジタルクローンは夢の中の自分のように思える。
必ずしも、デジタルクローンの発言は自分自身と同じではないものの、しかし、ある状況下ではそのように考える可能性が十分にある。
あったかもしれないもう一つの世界線の自分を見せてくれるのがデジタルクローンなのかもしれない。
自分自身のデジタルクローンと対話するという体験は、人間とは何か、個性とは何かということについて、ずいぶん考えるきっかけになるものであった。
人間の個性とは、そのほとんどの部分が他者と共有する文化や感覚であり、残りの何%かの違いが、非常に人間的な何かを想起させるということに気付かされる。
また、表情や声など、身体化されたところが、実は情報以上に個性を担っていることに改めて思い至った。
ソクラテスは本を残さなかった。
何をしゃべるかわからないという緊張感のもとでしゃべるということが大事だということを言っていたわけだ。
生きるということは、固定化された情報とは違った、それ以上のものなのだ。
命の「ナマっぽさ」が現れる重要な要素として「偶有性(Contingency)」がある。
つまり、常に思った通りの反応を示さないことこそが「生きている」と感じさせるわけだ。
デジタルクローンにはこの「偶有性」があるのが面白い。
その場その場でリアルタイムに思考するデジタルクローンは、自分らしい考え方、表情や声などによって、確かに自分だと感じさせられつつも、予想を裏切るようなコミュニケーションが発生する。
このことは、ある種独特の不思議さがある。
なにかそこに生命があるかのような感触を与えるのだ。
人は「偶有性」のあるものに夢中になるということが言われているが、その意味でも、デジタルクローンが普及した時には、それに夢中になってしまう人が続出するのではないだろうか。
デジタルクローンと聞くと、あたかも自分自身のコピーのようなメタファーを思い浮かべがちだが、実際に起こっていることはもっと複雑で豊かなものなのだ。
【デジタルクローン生成の流れ】
この度のデジタルクローン生成は、オルツの保有する2つのデジタルクローン生成手法のうち、第1種である、クローン元本人の価値観を多く含むデータを学習素材として用いる手法によります。
茂木健一郎氏の許諾のもと、同氏の著作やSNSへの投稿などを学習素材として使用し、「オルツ・クローンモデリング・エンジン」によって個性モデルを生成しました。
第1種の手法では、膨大な人々の思考を統合した平均モデルと呼ばれる巨大なモデルを、クローン目標の個人の比較的少量のデータで歪ませます。これにより、人間としての基礎的な思考は保ちつつ、個人の持つ特異な歪みを反映した個性モデルが生成されます。
【分散演算基盤エメスを使用】
デジタルクローン生成時及び出力に必要となる演算力として、当社の開発した「分散演算基盤エメス」を使用。これにより、高速な処理が可能となりました。
【ビデオリサーチとの取り組みについて】
オルツは、ビデオリサーチが掲げる「リサーチ4.0」※2 を実現するため、当社の開発したデジタルクローンアンケートシステム「Nulltitude (ナルティテュード)」※3 の実証実験を共同で進めています。この取り組みにおいては、デジタルクローン生成手法第2種が選択されました。
第1種がデータ自体に価値観を含むデータを使用するのに対し、第2種ではデータ自体には価値観を含まない、個人の定量データを用いてデジタルクローンを生成します。
これまで、多くの企業は調査及びマーケティング等の目的で、顧客へのアンケート調査を通じて各種属性などの定量データを収集してきており、そのデータを活用したデジタルクローン生成を第2種の手法によって達成することができます。
この度、ビデオリサーチと共同で、茂木健一郎氏のデジタルクローンを生成した第1種の生成手法による結果と「Nulltitude」の結果を総合的に検証することで、デジタルクローンの精度や活用方針などの見解を得ることができます。
【意義】
今回、茂木健一郎氏の知見や価値観をインタラクティブに得られることを確認できたことは、今後様々な知識人、文化人などの考えに即座にアクセスできる可能性が開けたことを意味します。
現存する人々だけでなく、過去の数多くの思想家、芸術家、政治家、経営者などとの対話から得られることは、計り知れない価値を我々にもたらすものと確信しています。
【課題】
デジタルクローン技術により、現在、過去の人間の思考の複写の扉が開けたことは、技術的興味を喚起するだけにとどまりません。それは、倫理的な課題を目の前に突きつけられる体験です。
当社オルツでは、倫理、心理、哲学、医学、芸術などの専門家による研究会を組織しており、そこでの知見を通じて、デジタルクローン技術を人々の喜びに資するものとなるよう、これからも研究を続けてまいります。
【デジタルクローン生成依頼の募集を開始】
オルツでは、デジタルクローン生成を希望される方を募集いたします。以下のご応募フォームよりご連絡ください。
>>デジタルクローン生成のお問い合わせ<<
https://digitalclone.alt.ai/apply
■ 株式会社オルツ
デジタルクローン技術によるP.A.I.(パーソナル人工知能)『alt(オルツ)』の研究開発を通じ、私たちが日々生きること自体を永続的な価値を生み続ける資産となし、自己を自身の評価によって律する人類史上初の自律社会の創出実現を目指す企業です。
社名 :株式会社オルツ
URL :https://dev-corporate-web.poc-dev.com/
所在地 :東京都港区六本木7-15-7 SENQ六本木 809
代表者 :代表取締役 米倉 千貴
設立 :2014年11月
事業内容 :P.A.I.(パーソナル人工知能)『alt(オルツ)』の開発、提供、及び、人工知能及び人工知能関連技術の研究・開発及びこれに関するサービスのコンサルティング・企画・開発・運営
■ 株式会社ビデオリサーチ
株式会社ビデオリサーチは、日本国内で唯一テレビ視聴率データを提供する調査機関として 1962 年に設立されました。以来、日本国内におけるテレビ視聴率調査やラジオ聴取率調査をはじめとする各種メディアデータやマーケティングデータなど最先端のデータを提供し、企業のマーケティング課題に対するトータルサポートを行っています。
(URL:https://www.videor.co.jp/)
※1 P.A.I.(パーソナル人工知能)とは
「P.A.I.(パーソナル人工知能)」とは、私たち自身の意思をデジタル化し、それをクラウド上に配置してあらゆるデジタル作業をそのクローンにさせることを目的としたAIです。
*「P.A.I.」はオルツの登録商標です。
「P.A.I.」のコンセプトムービー:
https://www.youtube.com/watch?v=AqTDorosHwY
※2 「リサーチ4.0」
ビデオリサーチによる、新しいリサーチ手法の定義。AIによるデジタルクローンに代表される、新たな技術による次世代型のマーケティング技術、リサーチ技術。ビデオリサーチでは、「リサーチ1.0」=「人的対面調査」、「リサーチ2.0」=「PCインターネット調査」、「リサーチ3.0」=「ログ、センシングデータ」と位置付けています。
※3 「Nulltitude(ナルティテュード)」世界初のAIクローンアンケート
Nulltitudeは、人間個人のデジタルクローンの群がアンケート調査に回答するAIクローンアンケートシステムです。
オルツの開発した、人間の思考や個性の特徴量を抽出する「Alt Clone Modeling Engine(オルツ・クローン・モデリング・エンジン)」が、元となる実際の人間のライフログを学習素材としてその思考をクローンします。ここで生成されたデジタルクローンに対してアンケートを実施すると、その元となった人間の思考を反映した回答を得られます。これを複数のデジタルクローンに実施し、集計を取ってアンケート実施者に返す仕組みです。
プレスリリース:https://kyodonewsprwire.jp/release/202006231170
>オルツのAIソリューション(一部)<
◆AIソリューションのご相談受付サイト
https://dev-corporate-web.poc-dev.com/aiprojects/
◆「AI GIJIROKU(AI議事録)」公式サイト
◆「AI GIJIROKU」コンセプト映像
◆「AI GIJIROKU」コマーシャル映像
◆「AI GIJIROKU」セールスパートナー詳細ページ
https://gijiroku.ai/partner-company/
◆「AI GIJIROKU(AI議事録)」プレミアムプラン 公式サイト
◆「NeoRMR」オペレータAIサポートシステム 公式サイト
https://alt-technologies.com/rmr/
◆「AI通訳」公式サイト
◆「AIコールセンター」公式サイト
◆「AIモデレーター」公式サイト
◆「AI翻訳」公式サイト
◆「Linguacode.AI」(「AI翻訳」の国際版)公式サイト
■お問い合わせ先
株式会社オルツ 広報 西澤
TEL:03-6380-7076 e-mail:press@alt.ai
■アライアンスに関するお問い合わせ先
株式会社オルツ 営業 浅井
TEL:03-6380-7076 e-mail:poc@alt.ai