P.A.I.(パーソナル人工知能)※1 を開発する、株式会社オルツ(本社:東京都港区、代表取締役社長:米倉 千貴、以下「オルツ」または「当社」)は、当社が開発し提供する対話エンジンモジュール「NeoRMR( Neo Rewritable Memory Based Retrieval )」に MUSE ( Multi-lingual Universal Sentence Encoder )を適用することで、同モジュールの精度のさらなる向上と、多言語化に成功しました。
「NeoRMR」 はオルツの対話エンジンを構成するモジュール群のうちの一つで、大規模類似QAペアベースの質問応答フレームワークです。数百万QAペアの中から、入力クエリと類似する質問Qに対応する回答Aを高速に推論し回答を導きます。同モジュールは、主にカスタマーサポートセンターなどにおける顧客対応補助の役割を担っており、すでに数百の事業者のサービスに活用されています。
オルツ研究チームは同モジュールのさらなる精度向上のための研究を継続しておりますが、今回、Google AI による論文のMUSE手法を適用したところ、大きな精度向上を得られ、微妙な表現の違いなどに対しても正確に類似度を抽出できるようになりました。
MUSE は多言語のベクトル表現を計算するためのニューラルネットワークによるフレームワークです。マルチタスク学習やTransformerというディープニューラルネットワークを利用します。「NeoRMR」への適用では、過去に記録されたQの文をMUSEを用いてベクトル表現計算を行い、データベースに保存します。新規入力クエリでも同じように、MUSEでベクトル表現を計算し、データベースに保存されたQのベクトル表現との類似度をコサイン類似度を利用して計算します。
さらに、「NeoRMR」では、単一言語における精度向上だけでなく、言語横断の推論、回答も行えるようになりました。例えば、入力クエリでは英語「Where do you live?」ですが、データベースに記録されている全ての言語の「どこに住んでいますか(例は日本語)」を直接類似度抽出することが可能です。
オルツは、アップデートされた「NeoRMR」をグループ会社の株式会社オルツテクノロジーズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:米倉 千貴)を通じて提供してまいります。詳細は、こちら( https://alt-technologies.com/rmr/ )にお問い合わせください。
※1 P.A.I.(パーソナル人工知能)とは
「P.A.I.(パーソナル人工知能)」とは、私たち自身の意思をデジタル化し、それをクラウド上に配置してあらゆるデジタル作業をそのクローンにさせることを目的としたAIです。
「P.A.I.」のコンセプトムービー:https://www.youtube.com/watch?v=AqTDorosHwY&t=11s