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業界別 2024年11月22日

医療DXとは?具体的な事例や推進するメリットなどを解説

近年の医療業界では、高齢化による医療需要の増加により、医療従事者の長時間労働や人手不足が課題として挙げられています。その一方で、IT技術の進展に伴い、テクノロジーを活用した業務効率化が注目を集めています。

本記事では、医療業界で注目を集めている「DX(デジタルトランスフォーメーション)」について、実際の事例をもとに解説いたします。院内でテクノロジーを活用したいと考えている医療従事者の方はぜひ参考にしてください。

医療業界におけるDXとは

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テクノロジーの進歩に伴い、医療業界は近年急速な変化を遂げています。とくに注目を集めているのが、デジタル技術を活用した「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の取り組みです。少子高齢化に伴う医療ニーズの増加や人手不足などの影響から、近年では医療業界でも業務量や業務プロセスの見直しが求められています。

このような背景から、医療業界のDXは日本国内でも大きなプロジェクトとして掲げられています。実際に、内閣では「医療DX推進本部」が設置され、医療分野におけるDXを通じたサービスの効率化・質の向上が図られています。

医療業界が抱えている課題

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医療業界でDXが注目を集める背景には、下記のような課題が存在します。

  • 長時間労働
  • 高齢化社会と医師不足

長時間労働

医療現場では、患者への対応だけでなく、膨大な量の事務作業や院内でのコミュニケーションなどに時間を費やし、スタッフが十分な休息を取れない状況が続いています。そのため、社会全体で働き方改革が進むなかで、とくに医師の長時間労働には未だ根強い課題が残ります。2024年からは医師を対象とした「時間外労働の上限規制」がスタートしましたが、本制度の適用は一般企業での適用から約5年ほど遅れたものとなります。

そもそも医療現場では、一切のミスが許されない緊張感があります。そのうえで、このような時間的なプレッシャーが加わることで、医師が抱える肉体的・精神的な負担は非常に大きいものだと考えられます。しかし、長時間労働が慢性化した結果、医師が離職してしまっては本末転倒です。社会全体で早急な対応が求められています。

高齢化社会と医師不足

日本国内では、少子高齢化が深刻な課題になっています。実際に、高齢化による医療ニーズの増加は顕著で、厚生労働省の調査によると全国での入院患者数は2040年にピークを迎えることが予想されています。また、今後は医療と介護のニーズが複合されたるため、ますます高度な医療サービスの提供が求められます。

一方で、医師の数はここ数年で増加の傾向にあります。令和4年度に発表された厚生労働省の調査によると、病院に従事する医師の数はここ20年で5.5万人増加、診療所に従事する医師の数はここ20年で2.0万人増加しているようです。

ただし、内訳としては60歳以上の医師が占める割合が増加しており、若手を中心とした医師の不足が危惧されています。このままでは、医療需要が増加する将来に医師の数が不足し、十分な医療サービスが行き届かない可能性があります。そのため、DXの推進を通じて医師の負担を軽減し、安定的な医療供給の実現を目指す必要があります。

医療業界のDX推進事例

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医療業界におけるDXの推進事例をご紹介します。

電子カルテ

電子カルテの導入は、最も代表的なDX推進の事例です。紙のカルテに代わり、患者情報をデジタル化することで、情報共有の円滑化や誤入力の防止、診療時間の短縮などにつながります。また、AIを活用した診断支援システムの開発も進み、医師による診断精度の向上にも貢献しています。

実際に医療法人湘和会 湘南記念病院では、医療サービスのクオリティ向上を目的として、電子カルテシステムを導入しました。同院と2カ所のクリニックで最新の診療情報を共有できるようになり、業務の効率化を実現できたようです。

参照:医療情報ソリューション(MegaOakシリーズ) 導入事例 | NECネクサソリューションズ

 

オンライン診療

オンライン診療は、新型コロナウイルス感染症の流行を機に急速に普及しました。遠隔地に住む患者でも、スマートフォンやパソコンを通じて医師に相談できるため、医療アクセスの向上につながります。待ち時間を削減し、医療機関の負担を軽減する効果も期待できます。

実際にすみかわ皮膚科アレルギークリニックでは、遠方の患者をカバーすることを目的として、オンライン診療を導入しました。その結果、従来まで子育てや仕事が理由で治療ができなかった方でも、継続して通院できるようになったようです。

参照:働き世代の治療を継続 遠方患者の薬切れを回避する オンライン診療の活用|シェアNo.1 CLINICSオンライン診療システム

スマートフォンの活用

スマートフォンの活用も、近年注目を集めているDX事例のひとつです。たとえば患者の健康状態を記録するアプリや、遠隔でバイタルデータを測定できるウェアラブルデバイスなどが開発されています。患者自身が自分の健康管理に向き合うことで、予防医療の促進につながります。

実際に、たかの内科クリニックでは「CureApp HT 高血圧治療補助アプリ」の処方を開始しました。従来まで、クリニックでの指導時間が限られていた生活習慣について、本アプリを利用すれば自宅で指導を受けられます。また、血圧手帳としての機能も提供しており、ワンストップなサービス提供を実現しています。

参照:インタビュー記事:たかの内科クリニック 院長 野村和至先生|CureApp HT高血圧治療補助アプリ製品情報サイト

医療業界でDXを推進するメリット

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医療業界でDXを推進することで、下記のようなメリットがあります。

  • 医療体制の効率化
  • コストの削減
  • 医療体験の向上

医療体制の効率化

医療体制を効率化することで、医療従事者は事務作業の負担から解放され、より多くの時間を患者への診療に充てることができます。また、オンライン診療の普及は既存の収容能力を超えた医療提供を実現します。安定的な医療提供が実現されることで、地域間の医療格差をなくすことができます。

コストの削減

DXを推進することで、紙カルテの保管や印刷にかかる費用の削減、医療事務の効率化による人件費の削減など、コスト的な観点でのメリットが期待できます。また、早期診断や予防医療を実現することで、社会全体で医療費を抑制することも可能です。

医療体験の向上

デジタルデバイスを活用することで、患者自身が自分の健康状態をリアルタイムで把握できるようになります。待ち時間の短縮や通院時間の削減を実現し、医療体験を向上させることができます。

まとめ

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医療業界におけるDXの推進は、より良い医療体験を提供するために欠かせない取り組みです。電子カルテ・オンライン診療・スマートフォンの活用など、数多くの事例がすでに存在しており、今後も更なる発展が期待されています。

しかしDXの推進には、IT技術に関する深い知見が求められます。院内でIT技術に明るい人材がいない場合には、専門の支援業者に依頼をするのがおすすめです。

株式会社オルツでは、パーソナル人工知能を中心としたAI活用やDX推進を支援しています。課題のヒアリングからコンサルティング、実証実験まで一気通貫で行うほか、実際の開発や運用などの技術的な支援も可能です。少しでもご興味のある方は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

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