グローバル化や顧客ニーズの多様化など、製造業を取り巻く環境変化は激しく、多くの日本企業ではさまざまな課題に直面しているでしょう。しかし、人手不足やシステムの老朽化などがボトルネックとなり、思うような動きができていない企業も少なくありません。
このような背景から、近年ではDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む企業が増えています。各企業には、IT技術を駆使して、既存のビジネスモデルやビジネスフローを変革することが求められているのです。
本記事では、製造業がDXに取り組むメリットや手順、取り組む際の注意点について解説します。また、実際の企業事例も複数ご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
製造業におけるDXとは
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して、企業のビジネスモデル・業務プロセス・組織文化などを根本から変革し、新たな価値を創造することです。DXは、単なる「IT化」とは異なり、組織・ビジネスの仕組みそのものを変革することが特徴です。製造業の現場では、製品開発・生産・販売・サービスといった一連の事業活動を変革することを意味します。
製造業でDXが求められる背景
製造業の現場でDXが求められる理由としては、下記のような社会的背景が挙げられます。
- 人手不足
- 競争力の低下
- システムの老朽化
人手不足
少子高齢化が進み、労働人口が減少する中で、製造業においても深刻な人手不足が問題となっています。
実際に経済産業省が2017年に実施した調査によると、人材確保の状況に関して「大きな課題となっており、ビジネスにも影響が出ている」と回答した企業は全体の32%。2016年の調査結果では23%のため、1年間で約9ptも上昇しています。とくに熟練工の引退に伴う技能伝承の難しさは、各企業にとって大きな課題のひとつです。特定の職人にしかできない「暗黙知」を継承していかなければ、中長期的な企業成長は望めません。
また、他の業種業界でも同様の問題が発生しているため、日本国内における採用難易度の向上・採用単価の高騰は今後ますます激しさを見せるでしょう。このような状況の中で、DXによる生産性向上は人手不足を解消するためには欠かせない取り組みのひとつです。生産性向上の結果、従業員が働きやすい環境を実現できれば、離職率の改善だけでなく、新規求職者の増加も見込めるでしょう。
競争力の低下
グローバル化により競争環境が激化する中で、日本の製造業は価格競争に巻き込まれ、競争力を低下させつつあります。
実際に経済産業省の資料では「国際経営開発研究所(IMD)が発表する「世界競争力ランキング」によれば、我が国の2023年の総合順位は、64か国中35位と過去最低となった」と述べられています。とくにビジネス効率性の観点で順位が低く、なかでも経営慣行や生産性と効率性、態度・価値観などに課題があると考えられています。
DXの推進により、製品開発や作業工程のスピードアップが実現することで、競争力の回復が見込めます。
システムの老朽化
多くの製造業では、長年使い続けてきたレガシーシステムが稼働しており、その老朽化が問題となっています。これらのシステムは、柔軟性に欠け、新たな技術との連携が難しいといった課題を抱えています。
実際に経済産業省が発表したDXレポートによると、複雑化した既存システムのリスクにより、2025年以降に最大12兆円/年の経済損失(別名:2025年の壁)が予測されています。同調査によると、約8割の企業がレガシーシステムを抱えており、それらの保守・運用にIT・ソフトウエア人材のリソースが割かれている結果、約7割の企業が「レガシーシステムがDXの足かせ」と感じているようです。
とくに製造業の現場では、多くの作業工程でレガシーシステムによるアナログな作業場面が見受けられます。技術的な負債は蓄積されればされるほど改革が難しくなるため、多くの現場では素早いDXの対応が求められているのです。
製造業がDXに取り組むメリット
製造業がDXに取り組むことで、下記のようなメリットがあります。
- 生産性の向上
- 意思決定の精度/スピード向上
- 企業価値の向上
生産性の向上
IoT(Internet of Things)やAI(人工知能)などの最先端技術を活用することで、生産工程の見える化や予知保全を実現し、生産性を大幅に向上させることができます。工場内の状況を可視化することで、ミスやトラブルの早期発見・問題解決になり、人的リソースの最適化に繋がります。従業員が従来まで工数をかけていた「非コア業務」を削減し、「コア業務」に時間を集中させることができれば、組織全体の生産性向上も期待できます。
意思決定の精度/スピード向上
市場トレンドや顧客ニーズを数値化し、データとして確認することで、迅速な意思決定が可能になります。データの集計や分析にかかる時間を削減し、リアルタイムのデータ確認を実現します。これは従業員の手間を省けるだけでなく、早期の意思決定により競合他社と比べて素早いアクションを実現し、先手を打つことができます。
企業価値の向上
DXを推進した結果、新たなビジネスモデルを創出できれば企業価値の向上に繋がります。とくに上場企業のなかで、優れたDX推進を行う企業は「DX銘柄」として選定されます。社内外問わず、革新的なアピールにつなげられれば協力者が増え、さらなる革新に結びつけることができるでしょう。
製造業がDXに取り組んだ企業事例
製造業がDXに取り組んだ事例をご紹介します。
株式会社ダイセル
大手化学品メーカーである株式会社ダイセルでは、中期戦略として「DX戦略」を掲げています。システムによる「効率化」やマーケットへの「即応化」「市場創造」などを目的としたデジタルアーキテクチャの構築をDX戦略として位置づけています。同社では経済産業省の定める「DX認定事業者」を2023年に取得しており、デジタル技術によるビジネス変革に取り組まれています。
沖電気工業株式会社
電機メーカーである沖電気工業株式会社では「OKI DX戦略2025」を掲げ、中長期的な事業創出に向けた戦略を策定しました。デジタル化やシステムの刷新により、ビジネスモデルやビジネスプロセスの変革、生産性や競争力の強化に取り組んでいます。具体的には「Yume Pro」というイノベーションマネジメントシステムや「バーチャル・ワンファクトリー」といった工場間の連携構想などが挙げられます。同社では、DXの取り組みを通じて、安心・便利な社会インフラ、地球環境の保全、働きがいと生産性向上を目指しています。
株式会社IHI
総合重工業グループである株式会社IHIでは、多様化する社会ニーズに対応するため、デジタル技術を活用した変革に取り組んでいます。具体的には、データ活用の環境整備を行っています。効率性の観点から、分析ツールが事業部間で点在しないように、社内標準のデータ分析ツールの構築に取り組まれています。また、同時にデジタル人財の育成・強化に向けて、研修や社内コンペを通じた教育プログラムを実施中のようです。
参考:DXを支えるツール展開と社内データアナリスト育成 デジタルトランスフォーメーションに向けたデータ活用環境の展開 | 技術記事一覧 | 技術情報 | 株式会社IHI
ヤマハ発動機株式会社
発電機や電動バイクなどを製造するヤマハ発動機株式会社では、デジタル技術を通じた売上拡大に取り組まれています。具体的には「デジタルマーケティング」「コネクテッド」「スマートファクトリー」「データ分析」など、4つのテーマに分けたPoCを実施し、ビジネス創出のための効果確認を実施。今後はデジタル技術を駆使したマーケティングや、リーダーとなる人材育成に注力していくようです。
日本たばこ産業株式会社(JT)
たばこや医薬品、食品などを製造している日本たばこ産業株式会社では「JTスモーカーズID」という会員サービスを実施。成人喫煙者を対象に、たばこの情報を届けるサービスを開始しました。同社では、対外的なコミュニケーション規制の強いたばこ市場において、“経験と勘”に基づくマーケティング活動からの脱却を図る取り組みを行っています。
参考:JT(日本たばこ産業株式会社)×AI開発ストーリー対談|AIが導く「顧客ロイヤリティ」の向上 | DOORS DX
株式会社クボタ
農業用機器を中心とした製造を行う株式会社クボタでは、ICT本部を立ち上げ、新たなソリューションの創出に向けたDXの取り組みを進めています。具体的には、農業機器とICTを融合したシステム「KSAS(クボタスマートアグリシステム)」や水環境分野でIoTを活用したサービス「KSIS(クボタスマートインフラストラクチャシステム)」などが挙げられます。同社では事業本部ごとに分かれていたIT部門を統合し、G-ICT本部を設置。また、マイクロソフト社との戦略的提携を発表し、今後はビッグデータやAIなどの技術を活用しつつ、さらなるDXの加速に取り組まれていくようです。
参考:マイクロソフトとの戦略的提携でクボタのDXが本格的に加速する! | クボタプレス | 株式会社クボタ
ユニ・チャーム株式会社
衛生用品の製造を手掛けているユニ・チャーム株式会社では、2022年に経済産業省が定める「DX認定事業者」を取得。新商品開発やリニューアルなどで活用する「顧客インサイト」の発見を目的としてDXの推進に取り組んでいます。同社では、DX推進本部を新設し、新たなビジネスモデルの実装を画策。具体的には、離れていてもペットの観察が可能な「デジタルスクラムシステム」や、紙おむつのサブスクリプションモデル「手ぶら登園」などの開発につなげています。
参考:ユニ・チャーム、経済産業省が定める「DX認定事業者」に選定-ユニ・チャーム
味の素株式会社
食品メーカーである味の素株式会社では、グローバル展開を進める早期の段階からDXに取り組んでいます。同社では、社会と価値を共創する「ASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)」を掲げています。具体的には、2030年の社会変革をゴールとして4つのステージを設定。DX1.0では全社オペレーション変革、DX2.0ではエコシステム変革、DX3.0では事業モデル変革、DX4.0では社会変革を実現することを目標に取り組んでいます。
参考:DXで味の素社はどう変わる? 〜社会変革をリードする食品メーカーを目指して〜<味の素社のDX徹底解説 第2弾> | ストーリー | 味の素グループ
株式会社LIXIL
建材製品を開発する株式会社LIXILでは、自動組立ラインやバーチャルオフィス、インターネット通販など、さまざまな分野でデジタル化を推進しています。同社では、消費者の新たなニーズに対応するため、そして従業員のエンゲージメントを向上させるためにDXの推進を行っています。デジタル化をリードするCDOを設置したり、デジタル人材の育成を推進したりなど、あらゆる取り組みを通じて、持続可能な成長の実現に向けて取り組んでいます。
参考:デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組み | 経営方針・体制 | 株主・投資家向け情報 | 株式会社LIXIL
キユーピー株式会社
食品メーカーのキユーピー株式会社では、早い段階からAIの取り組みを開始。2019年には惣菜の原料検査工程にAI技術を導入し、画像解析による良品選別を行っています。従来までの検査工程では、不良のパターンが無数にあり、高い識別精度を実現することが困難でした。しかし、同社ではAIに良品のパターンを学習させて、良品以外をすべて「不良」とすることで、高い識別精度を実現させることができました。今後はグループ内での展開を進めるほか、同様の悩みを抱えているメーカーへの提供も検討中のようです。
参考:AIを活用した原料検査装置をグループに展開 | ニュースリリース | キユーピー
製造業がDXに取り組む手順
製造業がDXを成功させるためには、単に最先端の技術を導入するだけでなく、体系的なアプローチが不可欠です。下記のように、自社の課題を明確にして具体的な目標を設定し、実行・改善を繰り返す「PDCAサイクル」を回すことが重要です。
- 課題を特定する
- 目的を定める
- 手段を検討する
- 実行する
- 改善する
課題を特定する
DXの第一歩は、自社の業務における課題を明確にすることから始めます。現状の業務プロセスを徹底的に分析し、下記の観点から課題を洗い出すことが重要です。
- 生産性:生産工程におけるボトルネックや手作業による非効率な作業、不良品の発生など
- 品質:品質管理の遅延や顧客からのクレーム、製品の品質低下など
- コスト:原材料費の高騰やエネルギーコストの増加、設備投資費の負担など
- 納期:納期遅延や顧客からの納期に関するクレームなど
- 柔軟性:市場変化への対応の遅れやカスタマイズ対応の困難さなど
これらの状況を客観的に把握することで、経営課題を特定し、DXの推進で解決するべきポイントを明確にすることができます。
目的を定める
課題を特定したら、次にDXの推進で達成したい目標を具体的に設定します。目標は、SMARTの原則に基づいて設定することが重要です。
- Specific(具体的):どのような成果を上げるのか、数値目標も含めて具体的に記述する
- Measurable(測定可能):目標達成度をどのように測定するのか、指標を明確にする
- Achievable(達成可能):現在の状況やリソースを考慮して、現実的に達成可能な目標を設定する
- Relevant(関連性がある):目標が、企業全体の戦略や事業目標と整合性が取れていることを確認する
- Time-bound(期限がある):目標達成の期限を設定する
たとえば「生産性を20%向上させる」「不良品率を10%削減する」「新製品の開発期間を30%短縮する」といった具体的な目標を設定します。
手段を検討する
目標達成に繋がる手段を検討します。具体的に「どのようなデジタル技術やITツールを導入するべきか」も含めて検討しましょう。近年では、下記の技術が製造業のDXにおいて活用されています。
- IoT:センサーで収集したデータを活用し、生産設備の稼働状況を監視する
- AI:品質検査の自動化・需要予測・生産計画の最適化など、さまざまな業務で活用する
- ロボット:危険な作業や繰り返しの作業をロボットに任せることで、労働環境の改善と生産性の向上を図る
- クラウドコンピューティング:大量のデータを効率的に処理し、柔軟なIT環境を実現する
- ビッグデータ分析:蓄積されたデータを分析し、新たなビジネスチャンスを発見する
これらの技術を組み合わせることで、より高度なソリューションを実現することができます。ただし、技術はあくまで手段に過ぎません。手段自体が目的とならないように、あくまで明確な目的に紐づいた解決策を推進していきましょう。
実行する
手段が決まったら、具体的な計画を立ててから実行に移します。実行のフェーズでは、下記のポイントに注意をする必要があります。
- プロジェクトチームの結成:とくにIT分野での知見が明るいメンバーで構成する
- パイロットプロジェクトの実施:全社展開を行う前に、一部の工程で試験的な実施をする
- 従業員の教育・研修:新しいシステムの導入に伴い、マニュアルや研修の整備を行う
- 既存システムとの連携:新しいシステムを既存のシステムと連携させることで、スムーズな移行を実現する
とくに重要なのは「どのようにすればプロジェクトが円滑に進むのか」を事前に話し合い、ボトルネックとなる部分を洗い出しておくことです。あらかじめ躓くポイントがわかれば、具体的な予防策まで検討し、実行時に配慮することができます。
改善する
DXは、一度導入すれば終わりではなく、継続的な改善が求められるものです。実行結果を定期的に評価し、目標達成度を測定します。目標達成に至らなかった場合には、計画を見直し、改善策を講じます。このようなPDCAサイクルを回すことで、DXをより効果的に推進することができます。
製造業がDXに取り組む際の注意点
製造業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)は、企業の競争力強化に不可欠な取り組みです。しかし、DXは単に新しい技術を導入するだけでなく、企業全体の変革を伴うため、推進するにあたって下記のようなポイントに注意をする必要があります。
- 経営層が積極的に参加する
- IT人材の採用や育成を行う
- 継続的な取り組みを行う
経営層が積極的に参加する
DXの推進は、経営層の強いコミットメントなしでは成功しません。経営層がDXの重要性を認識し、積極的に体制を構築することが重要です。
まずはDXを通じて「どのような企業になりたいのか」というビジョンを明確にし、必要な予算や人材を確保する必要があります。また、企業文化の変革も伴うため、社員が変化を恐れずに取り組めるような“リスクテイクの奨励”もトップから積極的に発信していくことが求められます。
DXのプロジェクトでは、さまざまな部署や外部業者と協力する必要があるため、経営層の強いコミットメントは関係者のモチベーション向上にも繋がります。
IT人材の採用や育成を行う
DXを成功させるためには、IT技術に関する知識や経験を持った人材の登用が不可欠です。
とくに大企業のなかでは、ジョブローテーションの文化が根強く、専門人材の育成に課題を持たれているところも多いでしょう。実際に経済産業省の調査によると、デジタル人材の充足状況は「質・量とも充足できていない」と回答した企業が全体の約3/4を占めているようです。
そのため、中途採用を通じて専門人材を採用したり、既存社員に対してITスキル向上のための研修プログラムを提供したりなど、IT人材の採用・育成に力を入れることが重要になります。
継続的な取り組みを行う
DXは、一度導入すれば終わりではなく、継続的な取り組みが重要です。計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Action)の「PDCAサイクル」を回すことで、プロジェクトの効果を最大化することが求められます。また、IT技術は日々進化しています。常に最新の技術動向を把握し、自社のビジネスに合った技術を導入する柔軟性が必要です。
とくにDXのプロジェクトでは、IT部門だけでなく、全部門の全社員が関わる取り組みになります。組織全体でDXの重要性を浸透させるには、中長期的な時間軸が必要となるため、定期的な振り返りや改善を繰り返していきましょう。
日本企業でDXが進まない理由・課題
近年、DXは各企業の成長戦略において欠かせない要素となりつつあります。しかし、日本企業のDXへの取り組みは、海外企業に比べて遅れているといった指摘が少なくありません。
その背景には、下記のような理由や課題が挙げられます。
- 中長期のロードマップを描けていない
- 予算やリソースが不足している
- デジタル技術に関するナレッジが不足している
中長期のロードマップを描けていない
DXのような全社的なプロジェクトでは、中長期的な視点での計画が不可欠になります。
しかし、外部環境の変化が激しい昨今では、短期的な視点で経営を行った結果、中長期的なビジョンやロードマップを描けていないといったケースが少なくありません。四半期ごとの業績を重視し、中長期的な投資を躊躇した結果、技術的な負債が蓄積したり、ビジネス上の機会損失が発生したりなど、その経済的損失は計り知れないものになります。
政治経済や気候など、さまざまな社会的変化が激しい時代だからこそ、中長期的な生存戦略を描いておく必要があります。どのような変化が起きても「すべて想定の範囲内である」と言えるまで、計画は丁寧に練っておくことが重要です。
予算やリソースが不足している
DXの推進には、システムの導入費用や人材育成に関する費用、コンサルティングの費用など、さまざまな支出が発生します。一方で、このような費用の支出が後回しになることで、レガシーシステムの維持管理に多額の費用がかかり続けてしまいます。
また、ITへの投資が後回しになることで、ビジネス機会の損失につながり、本来得られたはずの売上を逃してしまう可能性もあります。このような状況を防ぐためには、予算やリソースの追加は「費用」ではなく「投資」と捉えて、経営層が攻めの姿勢を貫いて取り組む必要があるでしょう。
デジタル技術に関するナレッジが不足している
多くの日本企業では、デジタル技術に関する知識や経験が不足していることが課題として挙げられています。経営層を含めて、ITリテラシーの低いメンバーが多く、そもそもIT技術を通じて「何が・どのように実現できるのか」を把握できていないケースもあります。そのため、全社員を対象に研修を行い、IT技術に関する基礎知識を身に着けることが求められるでしょう。
まとめ
日本の製造業では、人手不足や競争力の低下、システムの老朽化などの理由からDXの推進が叫ばれています。しかし、多くの企業では中長期的なロードマップが描けていないことや予算やリソースが不足していること、そしてデジタル技術に関するナレッジが不足していることから、プロジェクトを立案・推進することに難しさを感じています。
DXの推進は、生産性の向上や意思決定の精度・スピードの向上、引いては企業価値の向上に繋がる取り組みです。取り組みの序盤では費用的・時間的コストがかかりますが、これらは「費用」ではなく「投資」となります。中長期的な効果を見据えて、経営層が率先して全社的に進めていくことが求められます。
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