Develop Solutions

al+ GPT Solutions Blog

Back
業界別 2024年7月1日

建設業の課題解決にはAIが有効!活用事例15選をご紹介

近年、日本の建設業界では、深刻な人手不足と高齢化、長時間労働が課題となっています。さらに高度経済成長期に築かれたインフラの維持管理へのコスト増大も問題視されており、AIやデジタル技術の導入による働き方改革や生産性の向上などが求められています。

本記事では、建設業が抱える課題を押さえたうえで、AIの導入によってできること、AIの導入・活用事例を15個ご紹介します。ぜひ参考にしてください。

Table of Contents

建設業が抱える3つの課題

建設業が抱える主な課題は以下の3つです。

  • 労働力不足
  • 長時間労働
  • 安全性向上の問題

労働力不足

人口減少、少子高齢化による人手不足は建設業でも深刻化しています。

国土交通省が公開している「建設業を巡る現状と課題」によると建設業就業者数は令和4年度平均で479万人。ピークだった平成9年平均の685万人と比べて約30%の減少がみられます。

また、建設業就業者は55歳以上が35.9%であるのに対して、29歳以上が11.7%と高齢化が進んでいます。専門知識を有する技術者が高齢化している一方で、次世代への技術継承が進んでいない点も大きな課題です。

さらに、労働基準法の改正により、時間外労働規制が見直され、原則月45時間かつ年360時間(月平均30時間)となったため、より働き手の不足が今後表面化してくると考えられています。

 

長時間労働

次は、長時間労働の問題です。国土交通省が行った調査によれば、建設業では、令和3年度の年間総実労働時間が全産業と比較して90時間長いというデータが出ています。

また、休日の取り方にも課題があります。他産業では4週6休程度(週休2日)が約65%を占めていますが、民間工事の受注がほとんどの建設業者は約50%と、週休2日も取れていないのが現状です。そのため、労働時間の見直しが叫ばれています。

 

安全性向上

建設現場は危険が伴う場所であり、安全性の向上が長きに渡り課題となっています。建設業の死亡災害は令和3年までの過去50年間で大幅に減少しているものの、死亡災害を業種別で見ると建設業がトップであることに変わりはありません。

事故の内訳は墜落や転落が最も多く38%、崩壊・倒壊が11%、はさまれ・巻き込まれ9%と続いています。(参考:厚生労働省、国土交通省「建設業における安全衛生をめぐる現状について

建設業×AIでできること

建設業AI_001

建設業にAIの技術を導入することで、課題が解決する可能性が注目されています。AIが活躍できる業務には以下のものがあります。

  • 設計業務の効率化
  • 工程や計画の最適化
  • リスクの提案
  • 若手の育成

設計業務の効率化

AIは設計業務の効率化に活用できます。

たとえば、過去の建築物デザインや構造データから設計を提案し、画像生成AIでイメージ図を作成することが可能です。設計段階で問題点に気づけるため、スムーズに工程が進んだりトラブルを防いだりできます。

また、3Dモデルなどで視覚化できることで完成像がイメージしやすくなり、関係者からの承認が得られやすくなるなど、設計業務の効率化に役立つでしょう。

工程や計画の最適化

AIを使って工事フローや資材調達のパターンを分析することで、最適な工事計画が立てられます。

また、稼働データから進捗や効率性を分析して計画を調整できるため、工事現場でのミスや工事のスケジュールの遅延なども減らせるでしょう。

リスクの提案

工事現場の課題のひとつに安全性の問題がありました。

AIの導入により、過去の事故データや現場状況を分析し、リスクが高まる場面を特定できます。そのため、事故防止のための対策ができ、安全管理に役立てられます。

若手の育成

新人の作業員への人材育成にもAIが役立ちます。安全な作業手順や施工技術のトレーニングなど、個々の作業員にあわせた教育カリキュラムを作成し、効果的に学習を進められます。

人手不足のなか、新人教育にかける時間を減らすことにもつながり、効率的な人員の配置にも役立ちます。

建設業のAI活用事例15選

建設業AI_002

ここからは実際の建設業へのAI活用事例を15個ご紹介します。多様な事例があるので、今後の導入の参考にお役立てください。

AI搭載の資機材管理システムで作業時間を75%削減(鹿島建設) 

鹿島建設とAI inside株式会社はAIとドローンを組み合わせた新しい資機材管理システムを共同開発しました。このシステムは、ドローンが空撮した動画からAIが資機材を認識し、その位置を現場3Dモデルに表示するというものです。

従来、建設現場における資機材管理は、職員が現場内を巡回し目視と手作業で行っていました。しかし、手間と時間がかかるだけでなく高所や狭所などに立ち入る場合があり安全面でも懸念がありました。

今回、国土交通省北陸地方整備局発注の工事にこの新しい資機材管理システムを導入したところ、1回あたり約2時間かかっていた作業が30分に短縮され、約75%の削減に成功したそうです。

現在、検出可能な資機材も増えており、個別資機材の個別管理もできるなど開発が進んでいます。

 

AIシステムで構造検討業務の負担を軽減(清水建設) 

清水建設は、設計初期段階の構造検討業務を支援するAIを開発し、運用を始めています。

設計業務の初期段階では、プランの頻繁な変更が常態化しており、複数案の同時検討も必要でした。このことは構造設計者の負担を増加させるため、業務の効率化が求められていました。

「SYMPREST」というAIツールは、入力されたオフィスビルの形状・寸法に基づいて、適切な構造架構をデータベースから抽出し、3Dモデルを生成します。これにより、構造設計の時間と労力が大幅に削減されました。

今後は超高層オフィスや他の用途・構造形式の生成も行い、AIの機能拡充につとめ、設計業務全般の高度化と効率化を進めることを目指すそうです。

 

建設分野の専門知識を有する生成AIを開発(安藤ハザマ) 

安藤ハザマでは、建設DXを推進するため、文書や画像を対象に、建設分野に特化した生成AI「AKARI Construction LLM」の開発を進めています。

これまでは、書類の叩き台作成やアイデア出し、資料の要約など、AIを活用する際に、専門的な知識や自社の持つノウハウの反映がなされず、回答の精度が著しく低いことが問題でした。そこで開発に着手したといいます。

今後も、手書き文書のデータ化や外部データベースとの連携などを進め、さらなる業務効率化や的確な業務判断に役立てていくとのことです。

 

浚渫(しゅんせつ)土砂の積込管理を支援するAIを開発(東洋建設) 

建設業AI_003

東洋建設株式会社は、富士通株式会社と共に、土運船への積み込み映像からAI技術を活用して積み込み完了を支援するシステム「AI Loding Navi」を開発しました。

グラブ浚渫中の船倉部分のカメラ画像を、リアルタイムにAI処理することで、土砂・水面・壁を画素単位で識別し、区画ごとの土砂割合から積込位置の状態を自動判別。合図者とオペレーターを支援します。

これまでの積み込み作業では、合図者が目視しオペレーターが操作をするというものでしたが、AIシステムの導入により瞬時の判断が可能になりました。さらに、確認作業の時間短縮や待ち時間の削減による効率性アップ、積み込み場所へ近づく回数が減ることにより安全性も高まるとのことです。

 

建設現場で作業者の危険な行動を検知するAIを提供(西尾レントオール) 

西尾レントオールでは、建設現場での墜落・転落事故を防ぐため、安全帯(墜落制止用器具)の不使用者を検知するシステム「KAKERU(カケル)」のレンタルを開始しました。

「KAKERU」は画像認識技術を使い、鉄骨上などで安全帯を使用していない人を検知すると、管理者に通知がいくというものです。このシステムにより、作業員の転落リスクに加えて、管理者の負荷が軽減できます。

さらに、映像はクラウドに保存されるため、作業担当者への安全教育や事故の傾向分析にも役立つとのことです。

 

AI配筋検査端末で検査時間を約6割削減(建設システム) 

建設システムではAI配筋検査端末「SiteRebar」をリリースしました。撮影した画像から、鉄筋の本数や太さ、間隔を自動で高精度で計測できるため、計測と検査を一人で実施できるようになりました。

さらに自社の施工管理システム「デキスパート」とクラウド連携し、検査データ作成から報告書までの手作業の転記作業をなくし、従来から配筋検査の作業時間を約6割削減できたといいます。

 

物価変動予測の精度を高めるAIサービスを導入(西松建設) 

「西松建設」では経済予測AIプラットフォームサービス「xenoBrain」を導入しました。

かねてより建設業界では、物価変動の影響を受ける建設コストを適正に見積もることが難しく​​​​、見積もりと実際の購入金額に乖離が生じるリスクがありました。

そこでAIを活用し、建設費指数の予測を参考に見積もり金額に加味し、個別品目の価格予測を発注時期の判断に役立てるようにしました。

社内全体での活用にはまだ至っていないものの、今後は積算や調達担当者の会議での情報共有の際に参考として記載し、複合的な予測に役立てたいとのことです。AIによる予測結果の活用が作業効率の向上につながることが期待され、実務への落とし込みを進めていくといいます。

 

区画割と造成費用を予測するAIアプリを開発(fantasista)

建設業AI_004

株式会社fantasistaのAIアプリ「造成くん」をAVILENが支援し、区画割りと造成費用が20秒で予測可能になる技術が進んでいます。

建設業界では2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されることから、DXによる業務効率化が求められていました。宅地開発における区画割り、造成に伴う度量計算、造成工事費の概算算出などは外部業者への委託が主流であるため、時間とコストがかかっていました。

fantasistaはAIを活用して区画割りと造成工事費の概算を自動化する「造成くん」アプリを開発。さらにAVILENが技術面から支援し、アルゴリズム開発やアプリ開発などを進めました。

「造成くん」のベータ版では20秒で区画割と造成工事費の概算が可能になり、今後は有償版のリリースに向けて精度向上や機能改善に取り組むとのことです。

 

画像処理で損傷部のCADデータを作成するAIシステムを開発(オングリッドホールディングス) 

オングリッドホールディングスはAIの画像解析システムを開発し、技術者や費用の不足による、橋梁の点検業務の問題解決を進めています。

日本の橋梁の約半数が、2033年までに建設から50年を経過する見込みです。しかし橋梁の約7割が人手不足や費用の不足による対応の遅れによって、毎年2000橋ほどが通行止めとなっています。

オングリッドホールディングスは、医療分野の網膜診断技術を転用したAI画像解析システムを開発し、コンクリート構造物の損傷箇所を自動検知し、CAD図面化できるようにしました。AIが自動で検知してくれるため、現場での作業は撮影のみで、図面化もできます。

従来の手作業に比べて約30%の業務削減ができ、人手不足解消とインフラの維持管理の効率化が期待されています。

 

過去データから工事見積もりを算出するAIシステムを開発(CONOC)

CONOCは、過去データから工事見積もりを算出するAIシステムを開発しました。

CONOC業務管理クラウドを利用している建設企業から「見積もり作成に手間がかかる」「手動での価格算出のため属人化しており、人材育成にも時間がかかる」などの課題の声が上がっていました。

そこで、過去の見積実績データを機械学習させたAI見積機能を新たに開発。見積り作成にかかる時間の大幅な削減と、過去データにもとづく見積りによる属人性の低減に成功しました。

 

建設重機用の車両搭載型安全監視カメラAIシステムを開発(清水建設) 

建設業AI_005

清水建設は、AIの車両搭載型安全監視システムによって建設現場の安全性向上に寄与しています。

建設現場では、重機接触災害が約2割を占めており、従来の人検知・距離推定カメラ監視システムでは、作業員がしゃがんでいたり、一部が隠れていたりすると検知精度が低下するという問題がありました。

そこで画像解析AIに骨格推定アルゴリズムを組み込み、さまざまな作業姿勢の人を検知できるようにしました。骨格から目・鼻・耳の位置を判定し、作業員が重機を視認しているかを確認できます。もし作業員が重機に接近した場合や視認していない場合には、2段階の警告アラートを出し知らせます。さらに、人物だけでなく他の重機や車両も検知可能です。

AIの活用により精度が向上し、安全性が大幅に改善されました。

建設工事向けAI気象予測サービスを開発(大阪ガスら) 

大阪ガスと大林組は、建設現場向けのAI気象予測サービスを開発しました。

建設現場では、気象条件によって、工程が大きく変わってきますが、従来の気象情報では高精度な予測は難しく、特に強風時のクレーン作業の中止判断や、熱中症対策のためにも、建設現場に特化した高精度な気象予測が求められていました。

そこで大阪ガスの気象予測技術と過去の現地観測データを学習させたAIにより、ピンポイントの高精度気象予測が可能になりました。建設現場の各作業に必要な情報を「クレーン作業指数」のように、適切なタイミングでわかりやすく提供できます。

万博予定地の夢洲建設現場での実証実験をすすめ、サービスの改善に努めているため、今後の建設工事の生産性と安全性の向上に寄与するでしょう。

遠隔から建設現場を仮想的に巡回できるAIシステムを開発(ドコモら) 

ドコモとNTT Comは、画像認識AIを用いて建設現場を遠隔から仮想的に巡回できるシステムの開発を進めています。

建設現場では現場監督の巡回作業負担が大きく、作業員の長時間労働も課題となっています。資材置き場に作業の妨げとなる資材がある場合も多く、作業効率の低下を招きました。

AIの活用により、固定カメラで定期的に現場を撮影し、画像認識AIで資材を検出。登録された利用期間と照らし合わせ、作業を阻害する資材かを判断して通知します。

遠隔から建設現場の作業阻害資材を未然に検出する技術は日本初で、実証実験では、90%以上の適合率が確認されました。現在は実用化をめざしており、現場巡回負担軽減と作業効率化に貢献することが期待されています。

 

建設現場に特化したAI議事録作成サービスを提供(アドバンスト・メディア) 

建設業AI_006

アドバンスト・メディアでは、建設業界に特化したAI議事録作成サービスを提供しています。

建設現場では打ち合わせの議事録作成が必須ですが、人手不足や長時間労働の問題などにより、負担となっているのが現状です。

そこでAI音声認識「AmiVoice」と「ChatGPT」を組み合わせて、専門の人材と建設現場の専門用語に対応した高い認識精度を持つAIとが協働して議事録を作成するサービスを始めました。

これにより議事録の作成が完全に外注化でき、現座の業務負担の軽減につながります。

約42万件の事故事例を対策を搭載したAIシステムを開発(FRONTEO)

FRONTEOでは、約42万件の事故事例の対策を搭載したAIシステムを開発しました。

製造や建設現場では、労働災害の防止が重要課題です。しかし自社だけの事故事例ではデータ不足で、単語検索だけでは関連する事故事例を十分に抽出できないなどの問題があり、過去のデータが活かせていませんでした。

そこで、約42万件の厚生労働省公開のデータなどを取り込み、関連する事故事例を抽出できるようAIを活用しました。

これにより、作業内容や現場状況から関連する事故リスクと対策を提示し、適切な注意喚起ができます。また、事故傾向のチャート化やマップ化による視覚的分析もでき、リスクの発見が容易になるといいます。

これは労働災害の防止と現場作業の安全性と生産性の向上に寄与し、今後も危険予知の高度化、KY活動の効率化が推進されていくことでしょう。

まとめ

建設業界では、高齢化と人口減少による人手不足や後継者不足、長時間労働や安全性の問題などを抱えています。さらに、高度経済成長期に築かれたインフラの維持管理へのコスト増大もあり、生産性の向上が求められています。AIの導入によって、管理負担の軽減や効率化、安全性の向上など、課題の解決に近づけるでしょう。

オルツでは、AI技術を用いたシステム開発を行っています。お使いの環境や課題を丁寧にヒアリングし、個別にシステムを開発します。導入までサポートしますので、安心してご相談ください。

 

>>株式会社オルツへのお問い合わせはこちらから

関連記事

業界別 2024年4月15日

会計ソフトのAI機能には何がある?利用するメリット・デメリットも解説

近年、会計ソフトにもAIの機能を取り入れたものが多く存在し、業務の効率化やミスの減少による生産性向上...

業界別 2024年3月25日

不動産業界でAIを活用する方法とは?導入事例やメリットを紹介

経済状況や人口減少の影響を受けて、不動産業界は今後さらなる変革期を迎えることが予想されています。とく...

COMPANY

LOCATION

HEAD OFFICE

〒106−0032
東京都港区六本木7−15−7 新六本木ビル 402

Service