近年、会計ソフトにもAIの機能を取り入れたものが多く存在し、業務の効率化やミスの減少による生産性向上などに役立つと注目されています。このようなAIの導入が進むことで、経理の仕事がAIに取って代わられるのか、気にされている方もいるのではないでしょうか。
本記事では、会計ソフトでAIが活躍するシーンを紹介し、AIを搭載した会計ソフトを活用するメリットを解説しています。
あわせて、経理の仕事にAIを活用する際の注意点も紹介していますので、ぜひ今後の業務の参考にしてください。
Table of Contents
会計 ソフトでAIが活躍するシーン
会計ソフトのなかでAIが活躍する会計業務は以下の5つです。
・日々の仕訳
・AI OCRによる帳票の読み取り
・監査の自動化
・経営レポートの作成
・会計ソフトのサポート機能
ひとつずつ詳しくご紹介します。
日々の仕訳
AIは大量のデータを処理し、分類することや反復した作業が得意です。日々の仕訳をAIが担うことで繰り返しの入力作業が不要になります。このことにより業務が効率化するだけでなく、入力ミスなどのヒューマンエラーを減らせるのです。
具体的には、銀行やクレジットカードなどと連携することにより、自動で明細データを取得し、過去の仕訳や内容をもとに自動で仕訳ができます。
AI OCRによる帳票の読み取り
AI OCRによる読み取りとは、請求書や領収書の画像をスマートフォンで撮影し、アップロードするだけで自動でデータを読み取る機能です。これにより、手作業で行っていたデータ入力作業の時間や手間を大幅に削減できるようになり、人為的な入力ミスも防げます。
読み取りの精度も学習によって改善していけるため、手書き文字などさまざまな紙データの読み取りが可能です。
監査の自動化
月次、年次の監査の自動化を行うと、AIがデータの整合性や不正を確認して修正箇所を提示してくれます。AIのチェックによって入力のヌケモレや誤りの検出ができるため、より正確な監査ができ、作成の自動化により効率も上がります。
経営レポートの作成
AIは過去に行った内容を学習するため、仕訳したデータから、月々の経営レポートを自動で作成します。さらに処理する期間や項目も選べるため、多角的にレポートをチェックし、分析するのにも役立つでしょう。
会計ソフトのサポート機能
会計ソフトのサポート機能とは、テキストや音声でAIチャットボットと会話することで、不明点の解決を手助けしてくれる機能のことです。
問い合わせ窓口の対応時間外でもすぐに適切な回答が返ってくるため、いつでもサポートが受けられることもメリットです。またAIによる回答が不十分な際に、人間のオペレーターにつながる仕組みもあります。
AIによる会話の精度も上がってきており、自然なチャットのやりとりが今後ますますできるようになるでしょう。
AI 搭載の会計ソフトを活用する3つのメリット
以上のように会計ソフトにおいて、AIが活躍するシーンは数多くあります。AI搭載の会計ソフトを活用するメリットをまとめると大きく3つに分けられます。
ヒューマンエラーを防止できる
まず、ヒューマンエラーを防止できる点が挙げられます。どんなにベテランの経理担当者でも、人間である以上人為的ミスを完全になくすことは難しいでしょう。しかし、AIを使えばミスを限りなくゼロに近づけられるのです。
AIが自動で読み取りや仕訳してくれることで、手動による打ち間違いのリスクが減り、正確性が増します。また、監査の自動化により、ヌケモレや誤りを検出して知らせてくれたり、人間とのダブルチェックが実現したりできるため、人為的ミスを防止できます。
業務の負担軽減や効率化ができる
会計ソフトのAI機能を使うと業務の負担軽減や効率化が進みます。具体的には、AIのデータ処理能力や学習により、自動化できる業務が増え、正確かつ短時間で業務遂行ができます。
また、手動での入力や仕訳、計算などが自動化されることで、担当者の負担を軽減でき、業務効率化できるのです。
経理初心者でも利用できる
経理は専門知識や技術を必要とする難しい業務というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。しかし、AI搭載の会計ソフトを使用することで、経理初心者でも業務ができるようになりつつあります。
例えば、AIが読み取りや仕訳、レポート作成などを自動で行ってくれるため、複雑な知識がなくても会計処理が可能です。さらに、操作方法がわからないときはAIのサポートも受けられるため、経理担当のベテランに頼らなくても業務を遂行でき、業務の属人化を防げます。
AI 搭載の会計ソフトで経理の仕事はなくなるのか
AI搭載の会計ソフトは、会計初心者でも使えるメリットがあると述べましたが、AIによって経理の仕事はなくなるのでしょうか。
結論、なくなることはないといえます。なぜなら、経理業務は事務処理をするだけではなく、経営戦略や資金計画、事業計画を作成することも大事な仕事だからです。AIはデータ処理や計算、仕訳、繰り返される仕事は得意ですが、未来を予測し戦略を立てるのは人間のなせる技なのです。
AIがすべてを担うことは不可能ですが、AIが人間よりも優れている部分があることは事実なので、今後は経理担当者の役割が変化していくでしょう。
AI 搭載の会計ソフトを利用するときの注意点
AI搭載の会計ソフトを利用することで、ヒューマンエラーや業務の属人化が防げ、効率化や自動化ができるメリットがありますが、以下の点に注意が必要です。
- すべての業務を自動化できるわけではない
- 企業ごとの特例処理はシステムで対応できない場合もある
- 導入前に何を目的としてAI搭載の会計ソフトを使うのかを確認することが重要
AIによってすべての業務を自動化できるわけではありません。AIはデータの処理や計算、仕訳、パターン化された業務などは得意ですが、経営戦略や資金計画など未来を予測し、柔軟に考えることは苦手です。AIと人間それぞれの得意なことを掛け合わせて業務に取り入れるとよいでしょう。
また、企業独自の方法や特別な処理や項目があるなど、企業ごとに会計処理は異なるため、汎用的なシステムでは対応できない場合があります。
そのため、何を目的としてAI搭載の会計ソフトを使うのか、導入前に吟味することが重要となるでしょう。
まとめ
本記事では、AI搭載の会計ソフトが活躍するシーンやメリット、また経理業務との兼ね合いや導入の際の注意点について解説しました。
AI搭載の会計ソフトの活用により、経理業務の負担やミスが減り、効率化できるメリットはありますが、未来を予測し、戦略や計画を立てることや最終的な確認作業は人間が行うべき仕事です。そのため、今後はAIを導入する目的を明確にしたうえで、柔軟な活用や経理業務が求められるでしょう。
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