「スマート農業」と言う言葉を聞いたことがあるでしょうか。農業が抱えるさまざまな課題を、AIなどのテクノロジーによって解決しようと考える手法です。しかし、具体的にどのような活用がされているのか、疑問に感じる方もいることでしょう。
そこで本記事では、農業におけるAI導入が行われている背景や、そのメリット・デメリットを解説し、具体的な活用事例を10個紹介します。農業へのAI導入を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
近年注目を集める「スマート農業」
スマート農業とは、農業経営や農作業にAI技術を導入することです。スマート農業では、ICTやロボット技術を導入することで、農業の生産性向上が飛躍的に見込めます。近年、労働力不足や高齢化が進んでいるため、スマート農業の導入によって作業の自動化や効率化ができる点は大きなメリットです。
AIやIoTを利用して作物の管理を行うことで、データを基にした精密な農業が可能となり、高度な農業経営を支えます。また、農業に関する知識やノウハウの共有を容易にし、後継者育成をしやすくする点も重要な役割です。このように、スマート農業は、日本の農業を強く、持続可能なものへと進化させるキーテクノロジーとして注目されています。
農業でAI導入が推奨される背景
なぜ、農業においてAIの導入が推奨されているのでしょうか。ここでは、農業でAI導入が推奨される背景について、以下4点に分けて解説します。
- 農業従事者の高齢化
- 労働力不足
- 自然災害の影響
- 農薬に関する問題
農業従事者の高齢化
AI導入が進められている要因の一つとして、農業従事者の高齢化が挙げられます。農林水産省の調査によると、日本の農業従事者は高齢化し、2020年には平均年齢は67.8歳にも達しているのです。(参考:農業経営をめぐる情勢について|農林水産省)
農業は体力が必要な作業が多く、年齢を重ねることで生じる身体的な制限や健康上の問題が影響しやすい仕事です。よって、高齢化の進行は持続可能な農業を営む上で大きな課題となっています。
労働力不足
近年日本社会で広く課題となっている労働力不足も、AI導入が推奨される要因の一つです。日本の農業分野は、後継者不足と都市部への人口流出により、労働力が著しく不足しています。
労働力の不足は、農産物の生産量低下や農業技術の継承問題に直結します。国内の食料自給率にも影響を及ぼす可能性があるため、早期解決が見込まれる重要な課題です。
自然災害の影響
日本の農業が、地震・台風・豪雨といった自然災害に大きく影響を受けやすい立地条件にある点も、AI導入が推奨される背景です。
自然災害は収穫量の大幅な減少や農地の損傷につながり、農業経済に甚大な損害を与えることがあります。とくに近年は、気候変動の影響で異常気象が頻発しており、農業にとって予測困難なリスクです。
安定した生産を維持するためにも、できる限り自然災害の影響を減らすことが望まれます。
農薬に関する問題
農業にAI導入が推奨される要因として、農薬に関する問題も挙げられます。
農業において、作物を害虫や病気から守るために農薬が広く使用されていますが、その使用には慎重な配慮が必要です。不適切な農薬の使用は、環境汚染や生態系への悪影響、人の健康に対するリスクを引き起こす可能性があります。
より健康で安全な作物を育てるために、農薬の使用については細心の注意を払う必要があるのです。
農業にAIを活用するメリット
農業にAIを活用するメリットは次の5つです。
- 作業効率が上がる
- 作業者の負担軽減につながる
- 収穫量を予測できる
- 農薬の使用量を抑えられる
- 経験の浅い人にも技術を継承できる
作業効率が上がる
農業分野にAI技術を取り入れることで、作業の自動化が進み、大幅な効率化の実現が可能です。たとえば、AIを搭載した自動収穫機や管理システムを導入することで、時間を要する作業を迅速かつ正確に実行できるようになります。
また、AIは気象条件や作物の成長状態などの複雑なデータをリアルタイムで分析し、農作物の最適な収穫時期を判定することが可能です。精密な管理を行うことで、作業プロセス全体の効率が向上し、生産性の大幅な向上が見込めます。
AIの導入によって多くの作業を少ない労力でこなせるようになるため、農業分野における人的資源の有効活用が可能です。農業が抱える人手不足という課題に対しても、解決策の一つになると期待されています。
作業者の負担軽減につながる
AIを導入することで、作業者の負担を軽減できる点も大きなメリットです。農作業は長時間にわたる肉体的な重労働である場合も多く、従事者の高齢化もあって大きな課題でした。
収穫作業や農薬散布などの身体的負担が大きい作業をAIがサポートすることで、作業者の負担が大幅に軽減されます。また、AI技術を活用した自動化システムは、精密な操作を要する作業でも効率よく実行できるため、人間の作業者には困難な精度での作業も可能です。
農業の労働環境を改善することで、健康リスクが軽減され、農業という職業の魅力を高めて新たな人材を引きつける効果も期待できます。AI技術は作業者の負担を軽減し、農業分野の持続可能性と発展に貢献する重要な要素となるのです。
収穫量を予測できる
AI技術を農業に導入することで、作物の収穫量を正確に予測できるのも大きなメリットです。
AIは、気象データ・土壌の状態・作物の生育状況といった大量の情報を分析し、収穫量を予測します。この予測により、農業従事者は収穫計画を事前に立てることが可能になり、作物の出荷量を最適化できるのです。収穫量の予測精度が高まることで、農産物の価格変動リスクが軽減され、農業経営の安定にもつながります。
また、AIによって収穫量を予測できるようになると、農業資材の適切な管理ができ、コスト削減も可能です。
農薬の使用量を抑えられる
農業におけるAIの活用は、農薬使用量の最適化にも良い影響を与えます。AI技術によって病害虫の発生状況や作物の健康状態を正確に把握し、必要な場所に必要な量だけ農薬を散布できるようになるためです。AIを活用すると従来の散布方法よりも農薬の過剰使用を避けられるため、環境への影響を軽減し、生産コストの削減にもつながります。
また、農薬使用量の抑制は、安全で健康的な食品を生産するうえでも重要です。農産物の品質が向上することで、市場競争の高まりが期待できます。
経験の浅い人にも技術を継承できる
AI技術を農業に導入すると、長年にわたる経験や熟練した技術を必要とする農業の知識を、経験の浅い人々にも伝授しやすくなります。AIシステムが、農業の専門家によって蓄積されたデータやノウハウを学習・分析し、最適な対処法を導き出してくれるためです。経験の浅い農業従事者でも、AIが提供する指導に従うことで、高度な農業技術を身につけることが可能となります。
また、AIの導入によって農業に関する知識のデジタル化が行われるため、情報共有がしやすくなり、地域をこえて農業技術を伝えることも可能です。新たに農業に参入する人々が適切に学習でき、農業の生産性を高められるようになります。
農業にAIを活用するデメリット
農業へのAI活用は、さまざまなメリットがある反面、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、とくに注意すべき以下2点について解説します。
- コストがかかる
- AIに関する知識が必要になる
コストがかかる
AI技術を農業に導入する際の最大の障壁の一つは、高額な初期コストです。とくに家族経営や小規模の農家では、導入に必要な経済的負担が大きな懸念材料となるでしょう。
高度なセンサーやデータ解析ソフトウェア、自動化機器など、AIシステムの構築には大きな投資が必要です。導入後もメンテナンスやアップデートといった継続的なコストが発生する可能性があります。
ただ、国や地方自治体からの助成金制度や近隣農家との機器共有など、コスト負担を軽減するための取り組みが進められています。上手く活用することで、経済的な負担を抑えながらAIを導入できるでしょう。
AIに関する知識が必要になる
農業分野でAI技術を導入する際には、ただ技術を導入するだけでなく、それを運用するための専門知識が必要です。
AIを効果的に活用するためには、AIシステムの管理・データの解析・機器の操作など、農業従事者自身が新たな技術やツールに関する知識を身につけなければなりません。そのため、デジタル技術やAIに慣れ親しんでいない人々、とくに高齢の農業従事者にとっては、学習のための時間や労力が大きな負担となる場合があります。
また、AI技術は急速に進化しているため、継続的な学習とシステムのアップデートが必要となる点にも注意が必要です。絶えず知識を身につけ、新しいことへの挑戦が求められます。
農業×AIの活用事例
農業へのAIの導入は、具体的にどのような形で行われているのでしょうか。ここでは、農業×AIの活用事例をご紹介します。
ロボットトラクターで耕起作業を自動化(ヤンマー )
ヤンマーが開発したロボットトラクターの導入による耕起作業の自動化は、農業生産性を向上させる大きな一歩となっています。
ホイル・ハーフクローラ(デルタ)の2種類の足回りを圃場状態や作業内容に応じて選択することが可能です。簡単な操作で使いやすく、精度も高いことから高評価を得ています。
自動操縦が可能な作業も多く、ハンドル操作(直進・旋回)、作業機の上下動、PTOの入切などが自動化できます。圃場登録不要でA点B点を設定するだけで直進作業が可能な直進モードや、圃場登録を行ってあぜに平行して直進作業を行う枕地直進モードがあり、農作業を効率的に実施可能です。
このようなスマートアシストやスマートパイロットなどのサポートシステムにより、作業時間の大幅な削減が実現しました。作業時間は導入前と比べて75%減少し、省人化・高効率化に大きく役立っています。
自動化の導入によって、少ない労力でより効率的な農業を実現できる事例といえるでしょう。
リンゴやナシの自動収穫ロボット(デンソー )
デンソーが開発したリンゴやナシの自動収穫ロボットは、農業の作業効率化に大きな影響を与えました。
このプロジェクトの目的は、農研機構・立命館大学・株式会社デンソーの共同研究により行われている、果樹生産の担い手の減少と高齢化に対応するための農作業自動化・ロボット化です。具体的には、V字樹形などの列状密植樹形に適したカンキツ・リンゴといった果樹9品目で作業自動化を目指し、自動走行車両や収穫ロボットの開発を進めてきました。
開発された収穫ロボットは、自動走行車両にけん引される形で運用され、2本のアームを使って果実の収穫が可能です。収穫された果実は、自動走行車両に搭載された果実収納コンテナシステムに運ばれ、コンテナが満杯になると自動で空のコンテナと交換します。
このロボットは、人の手による収穫とほぼ同じ速度で果実を収穫することが可能であり、高い作業効率で自動化ができます。
イチゴの自動収穫ロボット(AGROBOT )
自動収穫ロボットとして、イチゴ収穫を自動化する「AGROBOT」が注目されています。
AGROBOTには最大24本の独立したロボティックアームが搭載されており、それぞれが連動して効率的にイチゴを収穫します。
AGROBOTの特徴は、リアルタイムのAI技術を搭載している点です。赤外線深度センサーを使って果実の細部まで捉え、最先端のグラフィック処理ユニットで果実の熟度を評価します。これによって果実の熟度を識別して収穫でき、品質の向上を実現しました。また、安全性にも配慮されており、LiDARセンサーを利用して周囲の作業者の安全確保が可能です。
AGROBOTは、スペインで事前商用試験に取り組んでいます。AIを活用して最適な状態の果実だけを選び、自動的かつ繊細にイチゴを収穫できるため、農業の省力化・効率化を実現する技術として注目されています。
AI画像解析で葉色・生育診断が可能(スカイマティクス )
スカイマティクス社が開発した「いろは」は、AI画像解析技術を駆使した葉色解析サービスです。このサービスは、ドローンで撮影した農地の画像をクラウド上に保存してAIで解析することで、作物の生育状態や病害虫、雑草など農地の状況を診断・記録します。
いろはの特徴は、水稲・畑作物・露地・施設野菜・果樹・茶など、幅広い営農類型に対応している点です。水稲・キャベツ・レタス・ブロッコリーなど多様な作物の生育診断ができ、農業生産のスマート化を実現するサービスとして注目されています。
いろはの導入によって得られる効果は、農地見回りの精度向上や、農地・作物に関する情報の蓄積、情報伝達の効率化などさまざまです。また、開発途上国における労働負荷の軽減や農作物の付加価値向上にも役立てられるのではないかと期待されています。
病害予測できるモニタリングサービス(ボッシュ )
AIを農業に活用した例として、農作物の病気リスクを予測するサービス「プランテクト」があります。
プランテクトでは、温度湿度センサー・CO2センサー・日射センサーによってハウス内の環境を測定してクラウド上にデータを蓄積し、リアルタイムにモニタリングが可能です。モニタリングはパソコンやスマートフォンでいつでも確認できるため、農作物に適切な環境を常に整えるサポートとなります。
さらに、AIを活用して取得した環境データを分析し、病気の感染リスクを調べることが可能です。トマト・ミニトマト・きゅうり・いちごの主な病気に対応しており、リスクデータをふまえて農薬散布を調整できます。
プランテクトの導入によって、農業に大きな損失を与える病気のリスクを低減し、農薬を使いすぎずに高品質な作物を育てることが可能です。
AI画像解析でピンポイントに農薬散布(オプティム )
オプティムは、農薬散布や施肥をより効率的に行えるスマート農業サービスを展開しています。ドローンや無人航空機による画像撮影と、AIのディープラーニング解析を組み合わせることで、農薬や肥料を必要な場所にのみピンポイントで施せるというものです。
ピンポイント農薬散布では、ドローンが撮影した画像をAIが解析し、病害虫の発生が確認された場所だけに農薬を散布します。従来の一面散布に比べて農薬の過剰使用を防げるため、環境への影響を大幅に減らすことが可能です。実際に、大豆栽培においては農薬使用量を99%削減するなど、劇的な効率化と環境への負担軽減を実現しています。
同様に、ピンポイント施肥では、画像解析と追肥アルゴリズムを活用して、作物の成長状態に合わせて適切な場所にのみ肥料を施します。作物品質の向上・均一化を図るこのシステムにより、不必要な追肥を避け、食味を損なうことなく良質な作物の生産が可能になります。
ビックデータを分析して利益最大化に貢献(クボタ )
クボタが提供するスマート農業戦略は、ビッグデータ分析とAI技術を活用して、農業経営の効率化・利益最大化を目指すサービスです。会計や販売といった情報システムや、流通・金融機関からの外部データなどを統合し、AIによるデータ処理とシミュレーションを駆使して経営のサポートを行います。
このようなサービスは、農業経営の「見える化」を進めるうえでも役立ちます。より科学的・経済的な経営意思決定ができるようになり、生産性や利益を向上させることが可能です。
利益の高い経営がしやすくなれば、農業への新規参入者が増えることも見込めます。既存の農家だけでなく農業全体を良い方向に進めていくために、これからも注目を集めるサービスであるといえるでしょう。
衛星データとAIで生育・土壌状態を可視化(サグリ )
サグリ株式会社は、衛星データとAIを駆使して、農地の生育状況や土壌の状態を可視化する圃場管理アプリ「サグリ」を開発しました。このアプリは、広範囲にわたる農地管理を効率化できるだけでなく、施肥コストの削減や土壌解析の負担軽減につながるデータを入手可能です。
圃場を地図上で一覧できる機能は、どのエリアが優先的に手入れや施肥を必要としているのかを一目で確認できるため、作業の効率化に大きく役立つでしょう。また、土壌解析データをもとに適正施肥や可変施肥を行うことで、不要な肥料の使用を減らし、コスト削減にもつながります。
サグリは、農地を一度登録するだけで、スマートフォンやPCから簡単に情報にアクセスできる点も魅力です。日付を選択して過去の生育状況を振り返ることができるため、計画的な農地管理が可能となります。土壌の化学的性質も、簡単にチェックが可能です。
AIを使った水耕栽培(Plenty )
Plentyは、AIを活用した植物工場を開発するアメリカのスタートアップ企業です。Plentyは、屋外の畑で必要とされる水のわずか1%で作物を栽培し、さらに生産性を350倍にまで高めることに成功しました。
Plentyの植物工場の特徴は、垂直農法を採用している点です。土を使用せずにミネラルや栄養素を含んだ少量の水を循環させて作物を栽培します。水をリサイクルして栽培に利用しているため、従来の農法に比べて極めて少ない水で効率的に作物を生産することが可能です。
設備には赤外線カメラや温度・湿度・二酸化炭素濃度を測るセンサーなどが搭載されており、LED照明の強さや波長・温度・湿度など作物に最適な環境条件をAIによってコントロールしています。精度の高い環境調整により、作物の風味や生産性を高め、従来では考えられなかったレベルの農業生産効率を実現しました。
AI導入時のコスト負担を減らす方法
農業へのAI導入では、初期コストの負担が大きい点が懸念されます。この導入時のコスト負担を減らすには、以下のような方法があります。これらの方法について詳しく見ていきましょう。
- 補助金や助成金を活用する
- リースやコントラクターを活用する
補助金や助成金を活用する
AI導入時のコストを減らすために、国や自治体による補助金や支援制度が活用できます。
ここでは、新規就農者や農業経営の発展を支えるものから、一般的なものづくり・サービス業の生産性向上を促す補助金まで、以下5つの制度を紹介します。
- 就農準備資金・経営開始資金(農業次世代人材投資資金)
- 産地生産基盤パワーアップ事業
- 経営発展支援事業
- ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
- IT導入補助金
就農 準備資金・経営開始資金(農業次世代人材投資資金)
就農準備資金と経営開始資金(農業次世代人材投資資金)は、新規就農者を対象に、就農前の研修や就農直後の経営確立を支援する制度です。
就農準備資金は研修期間中に月額最大12.5万円を最長2年間交付し、経営開始資金は経営開始後に同額を最長3年間交付します。
原則、就農予定時に49歳以下であることが要件とされており、とくに若年層の農業参入を促進するための制度です。
産地 生産基盤パワーアップ事業
産地生産基盤パワーアップ事業は、収益力の強化を目指す産地に対して機械や施設の導入・栽培体系の転換などに対して総合的な支援をする制度です。
新市場獲得対策・収益性向上対策・生産基盤強化対策といった事業を展開しており、海外市場や新市場の獲得を目指す取り組みにも補助があります。
経営 発展支援事業
経営発展支援事業は、新規就農者が機械や施設を導入する際に、経費の一部を補助する事業です。
機械や施設の取得・改良・リースや、家畜の導入、農地の造成などにかかる経費のうち、上限1,000万円(経営開始資金受給者は上限500万円)までに対し、都道府県支援分の2倍を国が補助します。
もの づくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、中小企業や小規模事業者が生産性向上を目指すITツールの導入を支援する補助金です。
「省力化(オーダーメイド)枠」「製品・サービス高付加価値化枠」「グローバル枠」など導入目的や事業規模によって補助率が異なり、自社の課題解決に適したITツールの選定から導入まで、経費の一部を補助します。
IT 導入補助金
IT導入補助金は、IT導入による業務効率化や売上アップを目指す中小企業・小規模事業者を対象に、ITツール導入経費の一部を補助する制度です。
インボイス制度に対応したソフトウェアの導入やサイバーセキュリティ対策、複数社連携でのIT導入など、さまざまな枠組みが設けられています。
リースやコントラクターを活用する
AI導入時のコスト削減策として、リースやコントラクターの活用が注目されています。これは、AI技術の迅速な導入を行いつつ、初期投資を最小限に抑えられる方法です。
リースとは、AIシステムや関連機器を所有するのではなく、使用権を一定期間借りることで、高額な設備投資を避けることができます。最新のAI技術を定期的な支払いで利用できるため、技術が陳腐化してしまうリスクを避けつつ、経費を固定化しやすいのが特徴です。また、リース期間終了後には最新機器への更新がしやすく、常に最適なAI環境を維持できます。
一方、コントラクターを活用する方法では、AI技術の専門家やチームをプロジェクトベースでアウトソーシングします。自社で専門スキルを持つ人材を採用する必要がなく、一定期間だけ専門知識を活用できるため、人件費や研修コストを削減することが可能です。専門家が持つさまざまな業界やプロジェクトでの経験を活用することで、AI導入の成功率を高めることが期待できます。
リースやコントラクターを利用することでAI導入に伴うリスクやコスト負担の軽減が可能です。AI分野は急速に進化しているため、このような柔軟な方法が有効となる場合も多いでしょう。
まとめ
この記事では、農業にテクノロジーを取り入れた「スマート農業」や、実際に農業にAIを取り入れた事例について解説しました。AIを導入することで、高齢化・労働力不足といった農業を取り巻く課題に対応でき、農薬の使用量適正化など環境への配慮にもつながります。
AIの導入には初期コストや知識が必要といったハードルがあるものの、さまざまな支援制度やコントラクターを活用することで負担を軽減することも可能です。
オルツでは、パーソナル人工知能をはじめとするAI開発を行っています。課題を丁寧にヒアリングしたうえで、AI活用・LLM開発・DX推進などさまざまな選択肢から、最適なAIソリューションを提案します。企画から実証実験、実装までお客様に寄り添って実施しますので、AI開発をご検討の際はぜひお気軽にお問い合わせください。