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4月 18, 2025

AutoGPTとは?特徴や活用場面、使い方などを解説

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人工知能(AI)の技術は目覚ましい発展を遂げており、とくにOpenAIが開発したChatGPTをはじめとする大規模言語モデル(LLM)は、ビジネスの現場でも大きな変革をもたらしています。その進化の過程において、近年では単なる対話型AIに留まらず、自律的にタスクを実行して目標達成を目指すAIエージェントが登場しました。その代表的なものが「AutoGPT」です。

本記事では、このAutoGPTの基本的な説明から、ChatGPTやAgentGPTとの違いや特徴、使い方などについて解説します。社内でAI技術を積極的に活用したい経営者や管理職の方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

AutoGPTとは

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AutoGPTは、ユーザーが目標を設定するだけでタスクを計画し、実行する自律型AIのひとつです。設定した目標の達成に向けて、インターネット検索やファイル操作、外部ツールとの連携といった、さまざまなアクションに自ら取り組むことが特徴です。従来のチャットボットのように一つひとつの指示を与える必要がなく、より抽象的な目標達成をAIに委ねることができます。

WebアプリケーションはPythonで開発されており、オープンソースで公開されているため、GitHub上から誰でも自由にソースコードを入手することができます。

ただし、まだ開発段階であり、その自律性ゆえに予期せぬ動作をしたり、非効率なタスクを行う可能性も指摘されています。しかし、そのポテンシャルは非常に高く評価されており、将来的にはさまざまな分野での活躍が期待されています。

ChatGPTとの違い

ChatGPTは、ユーザーからのプロンプト(指示)に基づいてテキストを生成する能力に長けた生成型のAIサービスです。質問応答・文章作成・翻訳・要約など、多岐にわたるタスクをこなせますが、その動作原理はあくまでユーザーの指示に従う受動的なものです。

一方で、AutoGPTはユーザーから与えられた高レベルな目標に基づいて、自ら思考プロセスを構築し、複数のステップからなる複雑なタスクを自律的に実行します。インターネット検索やファイル操作、他のAIエージェントとの連携など、さまざまなツールを自律的に活用することで、複雑なタスクを遂行します。

また、長期的なメモリ機能を備えているため、過去の思考や実行結果を記憶し、それを後のタスクに活かすことで、より高度で複雑な問題解決に取り組むことができます。ChatGPTでは、基本的に会話履歴の範囲内でのみ情報を保持しますが、AutoGPTはより広範な情報を記憶し、それを戦略的な意思決定に役立てることができます。

このように、ChatGPTがユーザーの指示に基づいて多様なテキスト生成タスクをこなす汎用的なツールであるのに対して、AutoGPTは自律的な思考と行動を通じて、より複雑で具体的な目標達成を目指すツールだと考えられます。

AgentGPTとの違い

AgentGPTもAutoGPTと同様に、GPTモデルを基盤とした自律型AIエージェントですが、その設計思想と利用方法にはいくつかの違いがあります。

最も大きな違いは、そのインターフェースにあります。AutoGPTが主にコマンドラインインターフェース(CLI)を通じて操作されるのに対し、AgentGPTはウェブブラウザ上で動作するグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)です。。このインターフェースの違いは、使いやすさに大きな影響を与えます。AutoGPTは、環境構築を始めとする、技術的な知識が求められる部分があります。一方で、AgentGPTはウェブブラウザを開くだけで比較的簡単に利用できるため、多くのユーザーにとって操作がしやすいツールだと言えます。

また、カスタマイズ性においては、一般的にAutoGPTの方が高度な柔軟性を持つため、プラグインやAPI連携を通じて、機能を大幅に拡張することが可能です。一方で、AgentGPTはウェブベースのシンプルなインターフェースのため、カスタマイズの自由度はやや限定的な傾向があります。

したがって、AutoGPTは高度な開発や複雑なタスクの実行を目指すユーザーに適している一方で、AgentGPTは自律型AIを手軽に試したり、特定のタスクを迅速に実行したいユーザーに適したツールだと言えます。

AutoGPTの特徴

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AutoGPTは、従来までのAIとは異なる下記のような特徴を備えています。

・プログラミングの知識なしで利用できる

・カスタマイズで機能拡張できる

・メモリ管理機能がある

プログラミングの知識なしで利用できる

AutoGPTの基本的な利用においては、必ずしも高度なプログラミングの知識は必要ありません。Webアプリケーションとして提供されているため、プログラミングの知識がなくても利用できます。環境構築の手順さえ完了すれば、AutoGPTを起動して操作が可能です。自然言語による指示を通じて、AutoGPTにタスクを与えることができます。

もちろん、より高度なカスタマイズを行う場合には特定のプラグインを開発する必要があるほか、API連携を実装する際には、Pythonなどのプログラミングスキルが求められます。しかし、基本的なタスクの実行や既存のプラグインの利用においては、プログラミングの専門知識がなくても十分な操作が可能です。

カスタマイズで機能拡張できる

AutoGPTの大きな特徴のひとつが、カスタマイズ性の高さです。AutoGPTはプラグインアーキテクチャを採用しており、ユーザーは自身のニーズに合わせて、さまざまな機能を追加することができます。これらのプラグインは、Webサイトへのアクセス・ファイルの読み書き・データベースとの連携・特定のAPIの利用など多岐にわたります。

たとえば、マーケティングリサーチを行うAutoGPTエージェントに特定の市場調査APIにアクセスするプラグインを追加することで、最新の市場データを自動的に収集し、分析することが可能になります。また、コンテンツ作成を行うエージェントに、画像生成APIと連携するプラグインを追加することで、テキストコンテンツと合わせて関連性の高い画像を自動で生成することができます。

メモリ管理機能がある

AutoGPTは、単に与えられたタスクを実行するだけでなく、その過程で得られた情報や経験を記憶する高度なメモリ機能を備えています。このメモリ機能は、AutoGPTがより複雑な問題を解決したり、長期的な目標を達成したりするために欠かせないものです。

AutoGPTは、短期的な記憶として、現在実行しているタスクに関する情報を保存します。さらに長期的な記憶として、過去のタスクの実行結果や得られた知識、重要な意思決定などをデータベースやベクトルストアに保存することができます。この長期記憶を活用することで、AutoGPTは過去の成功や失敗から学習し、より効率的かつ効果的にタスクを実行することができます。

たとえば、過去に特定のWebサイトから情報を収集する際にエラーが発生した場合、AutoGPTはその情報を記憶し、将来的に同様のタスクを実行する際に、そのエラーを回避するような戦略を立てることができます。このメモリ管理機能があることで、AutoGPTは単なるタスク実行ツールではなく、経験や情報を積み重ねた自律的なシステムであると言えるのです。

AutoGPTの活用場面

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自律型AIは、自律性・拡張性・メモリ管理機能といった特徴をもとに、さまざまな分野での活用が期待されています。ここでは、いくつかの具体的な活用事例を紹介します。

・カスタマーサポート

・マーケティング

・バックオフィス

・プログラミング

カスタマーサポート

AutoGPTは、顧客からの問い合わせに対して、FAQデータベースを参照し、自動的に回答することができます。複雑な問い合わせに対しては、関連情報をインターネットから検索したり、過去の類似事例を分析したりすることで、より的確なサポートを提供することも可能です。

また、24時間365日の対応が可能になるため、顧客満足度の向上に貢献するとともに、人的リソースの負担を軽減することができます。問い合わせの内容や対応履歴を学習することで、回答の精度を高めて、よりパーソナライズ化されたサポートを実現できるでしょう。

マーケティング活動

AutoGPTは、市場調査・競合分析・ターゲット顧客の特定といった、マーケティング活動の初期段階から活用することができます。インターネット上のさまざまな情報を収集・分析し、データに基づいたマーケティング戦略の立案を支援します。

さらに広告文やSNS投稿の生成、コンテンツマーケティングの企画・実行など、コンテンツ作成の領域でもその能力を発揮します。SEO対策を考慮したコンテンツの作成や、ターゲット顧客に合わせたパーソナライズ化されたメッセージの配信なども実現します。

バックオフィス

AutoGPTは、請求処理・経費精算・スケジュール管理・議事録の作成など、バックオフィス業務の効率化にも活用できます。定型的なタスクを自動化することで、従業員はより創造的な業務に集中することができます。

たとえば、メールの自動振り分けや返信、書類の自動整理、データ入力の自動化など、日々のルーチンワークをAutoGPTに任せることで、大幅な時間と労力の削減が期待できます。

プログラミング

AutoGPTは、簡単なコードの生成やレビュー、ドキュメントの作成やバグの発見など、プログラミング作業のサポートにも活用できます。長らく人手不足が叫ばれるエンジニア業界ですが、AIをうまく活用することで、業務効率化や開発速度の向上が実現できるでしょう。

AutoGPTの使い方

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AutoGPTを操作するには、ローカル環境でのセットアップが必要です。

1.Pythonをインストールする

2.VScodeをインストールする

3.Gitをダウンロードする

4.AutoGPTプログラムをインストールする

5.OpenAIのAPIキーを取得する

6.PineconeのAPIキーを取得する

7.GoogleのAPIキーを取得する

8.Custom Search Engine IDを取得する

9.AutoGPTへAPIキーの設定を反映する

環境構築ができたら、下記の手順で利用を開始できます。

1.AutoGPTを開く

2.AutoGPTにタスク(名前・役割・目標)を依頼する

3.AutoGPTがタスクを実行する

4.AutoGPTにフィードバックを行う

AutoGPTにタスクを依頼する際には、できるだけ具体的に入力するのがおすすめです。抽象的なタスクでも紐解いて実行してくれるケースもありますが、エラーや想定外の実行が起こる場合もあり、かえって工数が大きくなる恐れがあります。

タスクを依頼すると「Thinking…」と画面に表示されたのち、しばらく経つと結果が表示されるので、続ける場合には「y」を、停止する場合には「n」を入力しましょう。

AutoGPTのメリット

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AutoGPTの導入は、下記のようなメリットをもたらします。

・業務負担の軽減につながる

・コスト削減につながる

業務負担の軽減につながる

定型的なタスクを自動化することで、従業員の負担を大幅に軽減することができます。たとえば情報収集やデータ入力、レポート作成といった、時間と労力を要する業務をAutoGPTに任せることが可能です。

これにより、従業員のモチベーション向上が期待できるほか、より高度な業務への取り組みが可能になり、組織全体の生産性向上にもつながります。また、人的ミスを減らす効果も期待できるでしょう。

コスト削減につながる

AutoGPTによる業務の自動化は、人件費の削減にもつながります。24時間365日稼働できるAutoGPTは、時間外労働の削減や、複数人で行っていた業務を一人でこなせるようになるなど、人的リソースの最適化を実現します。

AutoGPTを導入する際の注意点

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AutoGPTにはさまざまなメリットがある一方で、導入にあたってはいくつかの注意点があります。

・環境構築が必要になる

・セキュリティ対策が求められる

・アウトプットはチェックを行う

環境構築が必要になる

AutoGPTを利用するためには、Pythonのインストールやライブラリのセットアップ、APIキーの取得など、一定の技術的な知識と作業が必要になります。とくに技術的なバックグラウンドを持たないユーザーにとっては、環境構築が導入のハードルとなる可能性があるでしょう。

この問題を解決するには専門家の支援を得るか、より簡単なインターフェースを提供するツール(AgentGPTなど)を検討する必要があります。また、AutoGPTに関するコミュニティやWebサイトを活用することで、自己解決を試みることも可能です。

セキュリティ対策が求められる

AutoGPTはインターネットに接続し、外部のAPIを利用してさまざまな情報を処理するため、セキュリティ対策は非常に重要になります。APIキーの適切な管理や不正アクセスへの対策、生成された情報の取り扱いに関するガイドラインの策定など、情報セキュリティに関する知識と対策が求められます。

とくに機密情報や個人情報を取り扱う可能性がある場合には、データの暗号化やアクセス制御、監査ログの記録など、より厳格なセキュリティ対策を検討する必要があるでしょう。また、利用するAPIのセキュリティポリシーを十分に理解し、それに準拠した運用を行うことも重要です。

アウトプットはチェックを行う

AutoGPTは自律的にタスクを実行しますが、そのアウトプットが常に正確であるとは限りません。AIは時に誤った情報を生成したり、不適切な判断を下したりする可能性があります。とくに重要な業務にAutoGPTを利用する場合は、生成された情報や実行結果を必ず人間がチェックし、その妥当性を確認する必要があります。

AIを過信せず、あくまで人間の判断をサポートするツールとして位置づけて「最終的な意思決定は人間が行う」という原則を徹底することが重要です。また、AutoGPTの利用履歴を記録し、定期的にそのパフォーマンスを評価することで、より効果的な運用を目指すことができます。

まとめ

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自律型AIの技術はまだ発展段階であり、今後さらに発展することが予想されます。AutoGPTをはじめとする、これらの技術を適切に活用することで、私たちの働き方や生活は大きく変わる可能性があります。

本記事でも解説したように、AutoGPTの活用には環境構築や万全なセキュリティ対策など、導入時にいくつかの注意点があります。また、ビジネスでの活用を最大限に発揮するためには、AIに関する深い知識や経験が求められるため、専門の支援会社に依頼をするのがおすすめです。

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