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業界別 4月 10, 2024

法務×AIの可能性とは?AIを活用した法務向けサービスもご紹介

法務AI

AIの勢いは止まることなく、さまざまな業界・業務で活用が進んでいます。法務を対象としたAIサービスが提供されていることで、「法務はAIに仕事を奪われてしまうのではないか」と不安に感じている方もいることでしょう。

本記事では、法務×AIによって生み出されるメリットや法務向けのAIサービスをご紹介します。AIの台頭により、今後の行方が気になっている法務従事者の方はぜひ参考にしてください。

 

法務はAIに仕事を奪われるのか?

法務の仕事はAIに奪われてしまうのではないかと心配に感じている方もいるかと思いますが、結論としてすべて奪われてしまうことはありません。

AIは蓄積したデータをもとに、分析や予測することを得意とします。よって、法務の仕事の中では、契約書の作成や過去の判例調査などがAIの力を発揮できる領域です。書類作成やリサーチをAIに任せられるようになれば、人間が行う業務から離れていく可能性は大いにあります。

ただし、AIはあくまで提案しかできません。AIが導き出した答えが正しいとは限らないため、最終判断は人間が行う必要があります。また、相手や状況に合わせたコミュニケーションが求められる部分では人間に軍配が上がります。

法務業務のすべてをAIが担当することは難しいものの、サポートとしては優秀です。これからの法務従事者は、AIを使いこなす技術が求められるでしょう。

 

法務 にAIを導入するメリット

法務AI_001

法務業務にAIを導入するメリットは、次の3つです。

  • 法務業務の効率化につながる
  • 属人化を防止できる
  • 人為的なミスを予防できる

 

法務業務の効率化につながる

法務にAIを導入することで、業務効率化が見込めます。法務従事者は、常日頃から契約書のリーガルチェックや訴訟に関する調査など、多くの業務を抱えています。案件の規模によっては扱う情報も多く、ますます業務負担は増えていく一方です。

そこでAIを使えば、書類の誤字脱字チェックや記載内容の修正などの事務的な業務を効率化できます。過去の判例調査や必要な書類を探すときもAIによる条件検索ができるため、一から調べるよりも短い時間で遂行可能です。

AIに仕事を任せることで空いた時間は、人間にしかできない業務に充てられるようになります。限られた時間をより有意義に使えるようになるといえるでしょう。

 

属人化を防止できる

AI導入により、属人化を防止できます。法務業務は知識や経験がものをいう仕事なので、属人化しやすい特徴があります。担当者によってレベルが変わるため、内容によっては人を選んで業務分担をすることもあるでしょう。属人化が起こると、特定の業務が集中して負担の偏りが起こってしまうため、できるだけ避けたいところです。

AIは一定の水準で業務を遂行するため、質のバラつきを防げます。属人化を解消できることで、業務負担も均一化できるでしょう。また、ベテランの法務従事者が培った知識や経験もAIを通じて継承できるため、後輩の育成にも役立ちます。

 

人為的なミスを予防できる

法務にAIを導入すると、人為的なミスを予防できる効果が期待できます。どれだけのベテランでも、人間である以上ミスを完全になくすことはできません。うっかり書類を書き間違えてしまう、チェックが漏れてしまうといったことが起こる可能性があります。

その点、AIが書類の書き間違いや抜け漏れなどのミスを検知してくれることで、ヒューマンエラーを防止できます。AIと人間の二重チェックが可能になり、より正確性を担保できるようになるのです。

 

AIを用いた法務サービスの例

法務AI_002

近頃はAIによって法務業務をサポートするサービスがいくつも提供されています。ここでは「契約書レビュー」「商標調査・生成」「特許調査」の法務サービスを、導入事例とともにご紹介します。

  • 【契約書レビュー】LegalForce
  • 【契約書レビュー】RICOH Contract Workflow Service
  • 【商標調査・生成】TM-RoBo
  • 【特許調査】Amplified

 

【契約書レビュー】 LegalForce

LegalForceは、AIを用いた契約書レビューサービスです。契約書ファイルをアップロードするだけで、AIが自動的にチェック項目を表示して、一般的なリスクの見落としや必要条文の抜け漏れを確認します。自動レビュー機能は英文にも対応しているため、国内外問わず利用可能です。

また、過去にアップロードした契約書や雛形、LegalForceオリジナルの雛形からほしい条文を検索できます。条文を探す手間や時間を減らせるのもメリットです。

「東京双葉法律事務所」では、契約書レビュー業務の逼迫やナレッジとして蓄積できていない点を課題に感じ、LegalForceを導入しました。自動レビューや条文検索などの機能によって、契約書レビューにかかる工数は20%ほど削減。クライアントから契約書の雛形を作ってほしいと依頼されたときには、LegalForceオリジナルの雛形をベースにしながら作成して効率化できたそうです。

 

【契約書レビュー】 RICOH Contract Workflow Service

RICOH Contract Workflow Serviceは、リコーが提供する法務支援クラウドサービスです。法務相談から契約審査、電子契約、契約管理に至るまで一元管理できるため、誰がどのような相談をし、なぜ契約したのか経緯がわかります。

AIは条項チェックツールとして導入されています。他社と自社の契約書を照合して類似する条項や条文を自動的に対応付けし、双方の契約書における余分箇所、不足箇所をマーキングして可視化することが可能です。これにより、契約書の照合にかかる時間や工数を削減できます。

「シスメックス株式会社」の法務部門は、契約やコンプライアンスに関する法務相談等の依頼件数が新規で年間800件超、再相談を含めて1日10件ほど対応に追われていたそう。法務相談と契約書管理をそれぞれ別サイトで行っていたため、検索等が煩雑だったといいます。RICOH Contract Workflow Serviceの導入後は、サイト連携することで必要な情報にたどりつくまでの時間を削減。システム内で一元管理できるようになり、利便性が向上しました。

 

【商標調査・生成】 TM-RoBo

TM-RoBoは、商標業務全般をサポートするAIサービスです。商標を入力すると過去の審決などの統計的指標、判断に必要な指標を数値化して表示する「商標検索機能」、商品・ターゲット等を指定すると商標案を自動で生成してくれる「商標生成機能」があります。

「株式会社ポーラ・オルビスホールディングス」の知財・薬事センターには、グループ全体から年間約3,000件もの商標調査依頼があり、人力ですべて調査していました。そのような中で業務の効率化や人材育成を目的として、TM-RoBoを導入しました。商標検索機能を使うことで、日々の業務負担軽減に成功。これまでに使用していたシステムやサービスとは異なり、人の目で見ても大きなズレのない提案をしてくれると感じたそうです。

【特許調査】 Amplified

Amplifiedは、特許調査ができるAIサービスです。1.4億件の特許を学習しており、短時間で必要な文献の提示をしてくれるのが特徴です。単語のマッチングや統計的な類似性の評価をする従来のツールとは異なり、AIの自然言語機能を使って文章の意味を人間のように学習しています。よって、完全に一致していなくても意味から必要な文献にあたれるのです。

「株式会社Mizkan Holdings」では、新規事業開発にAmplifiedを活用しています。自分たちが研究していることが他社の特許に既に書いてあることに気づき、競合情報を自社の事業開発に活かすために導入しました。導入後は、特許調査に必要な時間の削減に成功。会議終了後のスキマ時間を使って特許調査できるようになり、心理的かつ作業的なハードルが下がったそうです。

 まとめ

AIにすべての法務業務を任せることは現状できませんが、契約書のレビューや商標調査や特許調査などを効率化する点では十分に活用できます。日々多くの業務に追われている法務従事者は、業務負担軽減や属人化解消のためにも今後AIをうまく活用していくことが求められるでしょう。

オルツでは、AI技術を用いたシステム開発を行っています。現状の課題や環境に合わせてシステムを開発し、導入までサポートします。法務業務に適したAIの開発や導入について気になる点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

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