2018/08/14
株式会社オルツは、「個人の属性情報の集合体を利用するためのシステムおよびプログラム」を開発し、本技術について、2018年8月10日、特許を取得しました。【特許番号 :特許第6382359号】
これは、自然言語による対話の中でコンピューターが質問に答える際に、属性データの集合体から、ある個人に関連する、S(主体)・P(属性)・O(属性の値)の組をサーチして特定する技術です。当社が開発する「対話エンジン」は、この技術を活用することで、利用者の対話データの中に、質問の回答に直接は該当するものがない場合でも、適切な対話を生成することができます。
例えば、「あなたの弟の同僚の特技は何ですか?」という質問に答えるのに、①わたしの弟はA、②Aの同僚はB、③Bの特技はプログラミング、というように要素を分解します。その上で属性情報の集合体をサーチして、それぞれ該当するS・P・Oの組合せを抽出し、最終的に、「私の弟の同僚の特技はプログラミングです」という回答を特定します。
■ 背景
当社は、本人に代わってさまざまなタスクを行うパーソナルな人工知能の研究開発に取り組んでいます。その中で鍵となるのは、AIにその人らしい判断を代行させる技術で、これを実現するためには個人のビッグデータが必要と考えられていました。しかし通常は、個人に関連する全てのデータ(行動履歴、コミュニケーションなど)を一元的に収集、蓄積はしていませんので、使えるデータの量や範囲は限定的です。 一方、パーソナライズされたAIへの期待はますます高まっており、この実現には、個人の様々なデータが必要です。当社はこうした問題の解決に向けて、属性情報の集合体をサーチして回答を生成するシステムを開発しました。
■ 今後の展開
当社は既にこの技術を「alt 対話エンジンver1」に適用しており、現在、企業への提供を進めております。 適用領域としては、コンタクトセンターや店舗窓口などのカスタマーエンゲージメントの領域、特に、専門知識とヒューマンスキルが必要な金融サービス、ケアサービス、マーケティングなどでの活用を目指してまいります。