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業界別 2024年2月9日

医療分野におけるAIの活用例|メリットや注意点も解説

医療AI

医療現場では、深刻な人手不足や過重労働が課題とされています。医療従事者の労働環境を改善することは必至ですが、医療の需要は高まる一方です。そこで「医療AIの活用」が注目されています。

本記事では、医療AIの概要を押さえたうえで、活用例やメリット、注意点を解説します。医療AIに興味がある方や開発・導入をご検討の方はぜひ参考にしてください。

 

医療AIとは何か

医療AIとは、AI(人工知能)を用いて医療の質を上げることを目的とした取り組みのことです。

厚生労働省は「保健医療分野におけるAI活用推進懇談会」において、AI開発を進めるべき重点領域に次の6つを挙げています。

  • ゲノム医療
  • 画像診断支援
  • 診断・治療支援
  • 医薬品開発
  • 介護・認知症
  • 手術支援

昨今、医療現場では医師の過重労働が課題とされています。過重労働は医師の健康にかかわるだけでなく、ヒューマンエラーにもつながるため、早期解決が望まれる問題です。(参考:厚生労働省

医療AIの活用は、医師の負担を減らすことにつながり、労働環境を改善できると期待されています。

 

医療AIを活用する5つのメリット

医療AI_001

医療AIを活用することには、次のようなメリットがあります。

  • 医療従事者の負担軽減
  • 診断の精度向上
  • ヒューマンエラーの防止
  • 医療業務の効率化
  • 地域格差の解消

医療従事者の負担軽減

1つ目は、医療従事者の負担軽減につながることです。医療は日々進化しており、世界中で新たな症例や論文が発表されています。医療従事者は、患者の状態や検査内容と症例・文献をもとに診断しますが、膨大な情報から必要なものを探すのには時間がかかってしまいます。

医療AIによる画像診断のサポートは、診断に欠かせない症例や文献をすぐに探し出すことが可能です。自力で時間をかけて探す必要がなくなるため、医療従事者の負担を減らすことができます。

 

診断の精度向上

2つ目は、診断の精度を上げられることです。医療AIに患者のデータを覚えさせて分析・分類することで、精度を向上できます。データの分析・分類はAIの得意分野なので、短時間で精度の高い診断が可能になるのです。

医師とAIのダブルチェックをすることで、より正しい診断につながります。

 

ヒューマンエラーの防止

3つ目は、ヒューマンエラーを防げることです。精度の高い医療AIを導入すると、重篤な症状の見落としや分析の誤りの防止につながります。

昨今、医療従事者の過重労働が問題視されています。課題解決のためにさまざまな施策が行われていますが、人手不足や医療需要の高まりなどですぐにすべてが解決できるとは限りません。

医療AIを活用すれば、業務効率化が実現し、医療重視者の負担軽減が可能です。人的な負担を減らすことで、ヒューマンエラーの防止が期待できます。

 

医療業務の効率化

4つ目は、医療業務の効率化ができることです。医療AIで自動処理することで、レセプト業務にかかる工数や人件費を削減できます。

診察の待ち時間減少にもつながるため、患者によってもメリットがあります。

 

地域格差の解消

5つ目は、地域格差の解消につながることです。地方では医師が足りていないことも多くあります。専門医の診察を受けるために、交通費をかけて都市部まで出なければならないことも珍しくありません。

そこで医療AIを活用すれば、地方でも専門医と同等の診断や治療が受けられます。全国どこにいても最先端の医療が受けられる未来が実現できるのが、医療AIのメリットです。

 

医療AIを活用するうえでの注意点

医療AIには多くのメリットがありますが、活用において注意点も押さえておく必要があります。

  • 症例データをたくさん用意する必要がある
  • 医師による確認は欠かせない
  • 導入や維持にコストがかかる

 

症例データをたくさん用意する必要がある

医療AIが正しく判断できるようにするためには、大量のデータを学習させなければいけません。症例データには個人情報も含まれているので、取り扱いに注意が必要です。

 

医師による確認は欠かせない

医療AIを導入しても、医師の確認は欠かせません。AIに業務をすべて任せてしまうと、未学習の症例に対応できず、医療ミスにつながるおそれがあります。あくまでサポートとして使い、最終判断は医師が行うのが理想的な活用方法です。

 

導入や維持にコストがかかる

医療AIの開発やカスタマイズ、導入、維持にはコストがかかります。医療技術やAI技術はひび進化しているため、発展に伴いアップデートも必要になります。総合的に見て、費用対効果があるかを検討すると良いでしょう。

 

医療現場におけるAIの活用例

医療AI_002

実際に医療現場ではどのようにAIが活用されているのか、例を5つご紹介します。

  • AI画像診断
  • AIオンライン診断
  • 自然言語処理を使ったカルテの解析
  • AI処方
  • レセプトの作成や管理

AI画像診断

AI画像診断は、レントゲンやMRIなどの画像解析で活用します。異常部分を検知してくれるので、見落としの防止や早期発見につながります。

 

AIオンライン診断

AIオンライン診断は、映像を通して患者の状態を自動分析し、診断結果を出すシステムです。診断結果をもとに医師が対応や治療方法を決めます。発熱していたり遠方に住んでいたりと来院が難しい方でも、来院したときと同じような診察が受けられるのがメリットです。

 

自然言語処理を使ったカルテの解析

AIの自然言語処理を用いることで、患者のカルテを自動的に解析できます。自然言語処理とは、私たちが普段使っている言葉を理解し、対応するAI技術です。カルテから病歴や病状の情報を抽出することで、患者の情報を効率よく把握できます。

 

AI処方

AI処方は、患者の体重や体調、血圧、前回服用時などのデータから適切な処方を実現するシステムです。毎日たくさんの患者を診ている医師の処方業務を補佐する役割があります。

 

レセプトの作成

請求済みのレセプトや電子カルテの情報をAIに学習させることで、レセプトを自動作成できます。データの分析や分類はAIの得意分野で、学習させればさせるほど精度も高まります。AIにレセプト業務を任せることで、人件費の削減や正確な書類作成につながります。

 

医療AIの開発・導入ならオルツ

医療AIの開発や導入をお考えでしたら、オルツにおまかせください。オルツでは、課題の抽出からAIの企画までお客様とともに考え、実現いたします。

オルツが提供している「AI GIJIROKU」は、会話をリアルタイムでテキスト化し、議事録を自動保存できるツールです。高まるオンライン診療の需要に応え、医療専門用語に対応した強化認識エンジンを開発しました。音声認識精度は98,48%と高く、医療現場の業務効率化に貢献します。このほかにも自然言語処理や画像認識・画像解析、データマイニングなど幅広いAI技術を用いたシステムの開発が可能です。

カジュアルなご相談も歓迎していますので、医療AIの開発や導入をご検討の方はお気軽にお問い合わせください。

 

まとめ

医療AIは、医療の質向上や業務効率化を目指した取り組みです。活用することで、医療従事者の業務負担軽減、地域格差の解消、診断の精度向上などさまざまなメリットがあります。一方で、個人情報を扱ううえでセキュリティ対策の考慮は欠かせません。メリットや懸念点を踏まえたうえで、医療AIの活用方法を検討しましょう。

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