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業界別 7月 1, 2024

AIカメラの活用事例10選!種類やできること、選び方のポイントも解説

AIカメラ

AIカメラは、従来の監視カメラに高度なAI機能を搭載した次世代のカメラシステムです。映像解析による高精度な物体検知や行動分析が可能になり、さまざまな業界で人手による監視や検査業務の自動化が進んでいます。

本記事では、AIカメラの種類と特徴、導入時の選び方のポイント、具体的な活用事例をご紹介します。ぜひ導入の際の参考にしてください。

そもそも AIカメラとは

そもそもAIカメラとは、AIで映像や画像を自動分析できるカメラのことです。従来のカメラ機能に加え、対象物の検知や識別が可能になったため、多くの現場で活用が進んでいます。

AI は2種類ある

AIカメラは、仕組みによって「エッジAIカメラ」と「クラウドAIカメラ」の2つに分けられます。以下で違いを説明します。

エッジAIカメラ

エッジAIカメラは、AIの処理をカメラもしくはエッジデバイス(端末)で行うカメラです。

エッジAIカメラは、映像データの解析や処理を現場で行えるため、スピーディーに検知・認識可能。さらにカメラ一つで済むため機器の管理がしやすく、セキュリティ性が高いというメリットがあります。

ただ、カメラのみ、AIのみでの交換ができないため、機能のカスタマイズができない点がデメリットとして挙げられます。

クラウドAIカメラ

AIの処理をクラウド上で行うカメラをクラウドAIカメラといいます。

クラウドAIカメラは、解析をするためにインターネット環境が必要となります。そのため処理能力が高く、大容量で複雑なデータも処理できることが特長です。

しかし、インターネットに接続しているため、セキュリティリスクが高まることや、ランニングコストがかさむことには注意が必要です。

AI ができること

AIカメラ_001

AIカメラの活用シーンには以下があげられます。

  • 物体を検出する
  • 個人を識別する
  • 領域を検知する

物体を検出する

画像や映像から物体(オブジェクト)を検知します。

たとえば、人や車、動物など特定のものを検出できるので、交通量の調査や商品の検品などさまざまなシーンで活用されています。

個人を識別する

AIカメラによって顔や服装などから一人ひとりを識別できます。

たとえば、あらかじめ顔を登録しておけば、登録されていない人を検知したときにアラートを鳴らして入退室を管理できます。顔認証により出勤退勤の自動処理を行うことで、勤怠管理としての使用も可能です。また、複数のカメラを使って顧客の導線分析もできます。

領域を検知する

領域の検知・識別をセグメンテーションともいい、映像から対象物や境界線をピクセル単位で識別できます。

河川の水位計測や自動運転での歩行者検知、ロボット掃除機が障害物を避けることなど、防災や自動車、家庭などで幅広く活用されています。

AI を選ぶときの3つのポイント

AIカメラを選ぶときのポイントは以下の3つです。

  • 必要な機能があるか確認する
  • 適したスペックのものを選ぶ
  • ランニングコストを洗い出す

必要な機能があるか確認する

AIカメラを選ぶときは、必要な機能があるか確認しましょう。

一口にAIカメラといっても、メーカーによって搭載されている機能が異なります。そのため、まずは自社の運用目的に必要な機能を明確にし、備わっているかを確認してから導入しましょう。

また、機械操作が得意ではない従業員でも扱いやすいよう、操作性のよいものを選ぶこともポイントです。

適したスペックのものを選ぶ

適したスペックかどうかもAIカメラを選ぶうえで重要です。

AIカメラのスペックは、画質や画角、解像度など、製品によって全く異なります。自社の用途に適したものを選ばなければ、解像度が低くて認識できない、認証速度が遅くて処理が追いつかないなどトラブルが起こるおそれもあります。

とはいえ、やみくもに高いスペックを選ぶのも考えものです。高スペックの製品では、コストが高くなり、機能をもてあましてしまう可能性もあります。設置場所や目的に合ったスペックのものを選ぶようにしましょう。

ランニングコストを洗い出す

コストは初期費用だけでなく、月々の利用料や人件費、通信費などのランニングコストを考えましょう。AIカメラ導入の効果を得るためには、長期的に検証する必要があるからです。

導入後も効果に対してコスト面での負担が大きすぎないか、都度確認するようにしましょう。

AIカメラの活用事例

AIカメラ_002

ここからはAIカメラの実際の活用事例を10個ご紹介します。自社に導入する際の参考にしてください。

寿司カバーの異常を検知して迷惑行為を防止(くら寿司) 

回転寿司チェーンの「くら寿司」では、回転レーンでの迷惑行為を防ぐ「新AIカメラシステム」を全店舗で導入しました。

このシステムは回転レーン上に設置されたAIカメラによって、回転レーンを流れる抗菌寿司カバーの不審な開閉を検知すると、本部でアラートが鳴り、店舗の責任者に連絡がいく仕組みになっています。連絡があった店舗は速やかに該当の寿司皿を撤去し、お客様へ確認のお声がけをするというものです。加えて「店舗遠隔支援システム」によって迷惑行為発生時の録画映像や店舗の対応の様子も確認できるため、場合によっては警察に速やかに通報できます。

このシステムの導入によって、迷惑行為への早急な対応が可能になり、お客様の不安の解消につながります。今後もさらなる安心安全の取り組みに活用できるでしょう。

顧客の動きを分析して接客を改善(イオン) 

イオンでは、AIカメラを店舗に導入し、接客の改善に努めています。

これまでは、従業員による適切な接客タイミングの見逃し、店舗ごとに異なる値下げの判断や売り場のレイアウトの最適化が課題となっていました。

店舗にAIカメラを導入すると、特にベビーカーやランドセル売り場など購入を検討する際に接客が必要なお客様を判断し、従業員へ通知することで、お客様をお待たせすることなく対応できます。

また、画像分析で、売り場の注目度やお客様の動線をもとにヒートマップなどで可視化し、お客様の立ち寄り時間や頻度が多い売り場を割り出します。このデータをもとに売り場のレイアウトや店舗ごとの売れ筋商品の充実が可能です。

AIカメラ導入により、スムーズな接客対応、売り場のレイアウトの最適化や品揃えの改善、適切な値下げなどが可能になりつつあります。今後もお客様満足度の向上や効率的な店舗運営につながることが期待されています。

人を自動追尾して広範囲を監視(デジタルキューブ) 

デジタルキューブテクノロジーの「PTZカメラ」は、広範囲を監視できるAIカメラです。AIカメラが人を検知すると、PTZカメラが移動を検知して自動追尾を開始します。最大18mの追尾が可能ですが、さらに複数のカメラと連動させることで、より広範囲の監視が実現します。

PTZカメラは不審者や不審車両の検知や自動警告のほか、人の密集や行列を検知して通知・警告することも可能です。イベント会場や店舗の混雑緩和などでも活躍が期待されます。

作業員の手元をデータ化して生産性を向上(NEC) 

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NECでは、工場の組み立て作業にAIカメラを導入しています。

製造業や建設業などものづくりの現場では、依然として手作業が多く、生産性の向上や属人化、教育コストなどの問題がありました。AIを導入しても、手指の細かい作業の識別のために事前に登録すべき項目が膨大で、多くの手間がかかっていました。

AIカメラを使うと部品や道具の事前登録が不要になり、画像解析によって、数回分のお手本映像だけで学習モデルの作成ができるようになりました。この技術によって、細かい手指の動きを識別し、個々の作業時間の測定が可能になります。

さらに作業の手順違いや、手順もれの発見、規定の作業時間と実際の作業時間との差を分析でき、生産性の向上を図ることができます。

入退室時に顔認証をして勤怠管理を効率化(アイリスオーヤマ) 

アイリスオーヤマでは、AIカメラを用いた顔認証を開発・導入しました。

AIカメラで顔を認証すると最短0.2秒で認証し、個人特定は99%の精度をもちます。顔写真では反応しないため、なりすましなどを防げる一方で、AIによるディープランニングにより、マスクをしていても個人の特定が可能です。温度測定が同時にできるサーマルタイプもあり、入室管理と同時に健康管理もできます。

一時的に来訪されるお客様は、事前にお渡ししたQRコードを読ませるだけ。スムーズな来館管理ができるのも便利なポイントです。また、レコーダーに映像を録画できるので防犯カメラとしても役立ちますし、勤怠ソフトや給与計算と連携すれば勤怠管理を効率化できます。

このAIカメラは、オフィスだけでなく、工場や倉庫、医療施設、店舗、マンションなどさまざまな場所で活用できるでしょう。

駐車場に解析システムを導入し属人化を解消(SystemK AI) 

SyatemKは、AIカメラを用いた駐車場の解析システムを開発しています。

従来の駐車場管理は、混雑状況をリアルタイムで正確に把握することや、利用者への情報提供が課題でした。人手によって行われていたため、効率化も求められており、従来のシステムの設置と維持管理のコストも問題でした。

ここで役立つのが、AI搭載型のNVR(ネットワークビデオレコーダー)とカメラによる車両認識技術です。この技術は、カメラ映像の特定の撮影角度から車体の特徴を抽出し、車両台数のカウントが可能。さらに車両ナンバー認識システムを導入して、特定の車両や車種に基づく、ゲートの自動開閉といった個別の対応を行う自動化システムです。

AIカメラの導入によって、駐車場の利用状況をリアルタイムで正確に把握し、満車や空車の情報を利用者に提供できるようになりました。駐車場管理の自動化により、人件費と運用コストの削減を実現しただけでなく、データの収集と分析を通じて、施設の改善やマーケティングにも活かせるでしょう。

出庫時間を予測し駐車場の混雑を緩和(TRASCOPE) 

AIカメラ_004

TRASCOPEの駐車場における出庫時間予測システム「TRASCOPE-AI」を導入したのは、住商アーバン開発株式会社の運営する大型商業施設「テラスモール松戸」です。

テラスモール松戸には立体駐車場をメインとした約2000台駐車できる駐車場がありますが、混雑する時間帯では出庫などでお客を待たせてしまうことが課題でした。

そこで「出庫時間予測システム」を導入し、お客様が駐車場の混雑状況をウェブサイトや施設内のサイネージから確認できるようにしました。

出庫時間予測システムとは、駐車場内に設置した数十台のカメラから定期的に静止画をクラウドに送信してAIで画像解析をし、さらに周辺の道路状況など駐車場外の情報も組み込み、予測出庫時間を算出するシステムです。

この技術の導入により、お客様に混雑の緩和を促す行動をとっていただけるだけでなく、最適な誘導人員の配置もできるようになりました。

映像解析で姿勢推定を行いスポーツのコーチングに活用(FUJISOFT) 

スポーツコーチングにもAIカメラが導入されています。

「FUJISOFT」のAIによるコーチングは、スポーツトレーニングの動作をカメラで撮影し、その人の姿勢推定を行うことで、お手本との差異や類似度を明らかにするというものです。AIによってコーチングができるため、コーチがいなくても本人が確認できるようになります。

この技術はスポーツだけでなく、リハビリなどの介護業界でも活用が期待されています。

人流の観測データをもとに地域活性化を支援(ハイテクインター) 

「ハイテクインター」のAIカメラを活用した人流観測システムが、富山市の中心市街地活性化に向けた取り組みで運用されています。

富山駅周辺を中心に52台のAIカメラを設置し、人流を計測。個人情報保護に配慮したデータの取得が行われています。

年間を通じた平日休日、時間帯別の通行者の人数や滞留時間、属性をデータ化して都市計画に活用します。

画像分類システムで欠陥分類の精度が向上(ARAYA) 

「ARAYA」のAIカメラによる画像認識技術は精密機器部品の分類作業に導入されています。

従来、欠陥分類の作業は製造段階での傷や不純物の混入を検査員が目視で分類しており、多くの時間がかかるうえに結果のばらつきが課題になっていました。

そこでCNNモデルを使用して、製品表面の画像から欠陥部分をピクセル単位で検出し、自動で欠陥の種類を分類。さらにAIが分類した欠陥の位置情報と種類を製品画像にマッピングして可視化​​することで、どの製品のどの部分にどのような欠陥が存在するかを明確にしました。

​​AIの導入により、AIが分類できなかった少数の画像のみが目視でのチェック対象となり、検査効率が向上。欠陥分類の正解率は96.47%に達し、適切な製造工程改善が可能となりました。

まとめ

AIカメラの導入によって、監視業務や検査業務の効率化や人手不足の解消、顧客満足度の向上、マーケティングに役立つ分析など多くのことが可能になります。各業界の課題に合わせて導入すれば、課題解決につながるでしょう。

オルツでは、AI技術を用いたシステム開発を行っています。業界や課題に合わせてシステムを開発し、導入まで丁寧にサポートいたします。AIの開発や導入についてのご相談もお受けしております。お気軽にお問合せください。

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